Ikimono Dayori sono75
横沢入 生物季節(チョウ類編)
早春(3月)
早春の横沢入は、三寒四温。
寒い日と穏やかな日が繰り返し訪れ、徐々に張り詰めた空気が緩み、雑木林の芽吹きに先立って、谷津田の土手が薄緑色に染まります。
ネコヤナギの花が銀色に輝き、オオイヌノフグリが可憐な花を咲かせています。
早春の横沢入
暖かく穏やかな陽だまりに姿を表すのは、成虫で越冬したテングチョウやキチョウ、タテハチョウの仲間のキタテハやルリタテハなどです。
どの個体も翅を広げ、早春の陽射しを体一杯に浴びています。
厳しい冬を乗り越えることが出来た個体だけが早春の陽射しを浴び、食草や食樹の芽吹きに合わせるように産卵し、子孫を残すことが出来るのです。
ルリタテハ
3月も中旬になると、今年羽化したチョウ達が姿を表すようになります。
落葉の上を忙しなく飛び交っているのはミヤマセセリです。
ミヤマセセリは老齢幼虫で越冬し、年1回春期のみに発生するセセリチョウの仲間です。
春期の雑木林を代表するチョウ類の一種です。
林縁や草地を弱々しく飛んでいる小さなチョウはルリシジミです。
ルリシジミは、蛹で越冬するため、発生の早い年では2月中旬から姿を表すこともあります。
横沢入では、3〜4回の発生を繰り返し、秋期まで観察することができます。
モンキチョウは、草地を低く素早く飛んでいます。発生を繰り返し晩秋まで観察することができます。
ミヤマシジミ ♂
ミヤマシジミ ♀
ルリシジミ
モンキチョウ(交尾)
コツバメ
林縁を素早く飛んでいるのはシジミチョウの仲間のコツバメです。
コツバメは、年1回春期のみに発生し、ミヤマシジミと同じように、春もっとも早く羽化するチョウの一つです。
横沢入では、個体数が非常に少なく、観察することの難しいチョウです。
キタテハ