Ikimono Dayori sono73
2010年 沖縄本島ラナウイルス・カエルツボカビ症調査紀行−4
2月27日
今日の昼間の予定は、午前中は与那川流域でイボイモリとシリケンイモリの調査、午後は比地川流域でシリケンイモリの調査です。
9:00道の駅「道の駅ゆいゆい国頭」で集合。
松村さん夫婦は早朝にヤンバルクイナの観察に行かれ、多くのヤンバルクイナを観察し、ケナガネズミのDOR(Dead On Road)も見つけて戻ってきたばかりだったので、朝食を済ませて後から合流することとなり、先発隊だけで与那川流域に向けて出発しました。
道路脇に車を停め、調査用具をザックに詰め、カメラをセットし、手鍬を持って林道を進みます。
昨晩の雨で下草が濡れ、気温が上がってきたこともあり、ものすごい湿度です。
歩き始めて、最初にはぐった石で、早くもイボイモリを見つけました。
皆が写真撮影している間も、イボイモリの隠れていそうなオブジェクトをはぐりながら林道を歩きます。
2匹目を見つけられないまま、沢との合流部までやってきました。
後発隊ともここで合流です。
未舗装の林道を進むメンバー
沢を進むメンバー
いつもより、一生懸命探したのですが、結局2個体しか観察できませんでした。
この場所は、イボイモリが比較的高密度で生息している場所で、毎回多くのイボイモリを観察しているのですが、昨晩の大雨が影響したのか、それとも繁殖期に入り水場の近くに移動したためなのか、理由は定かではありませんが貧果に終わってしまいました。
イボイモリ (Echinotriton andersoni)
これから全員で喜如嘉まで移動し、「小春屋」で昼食を取る予定ですが、その前に松村さんが早朝に見つけたケナガネズミのDORの観察です。
松村さんが早朝に見つけた時のケナガネズミDOR | ケナガネズミDOR |
ケナガネズミDOR
松村さんの案内で現場に到着。
ケナガネズミは、カラス等に毛の一部が抜かれたり口の辺りをつつかれていますが、綺麗な状態を保っていました。
ケナガネズミは、性質が穏和で警戒心が少ないネズミのため、道路に出てくると車に轢かれる可能性が高い動物です。
県道等の拡幅工事が行われ、通行車両の高速化が進むに連れ、ますます車に轢かれ犠牲になる動物が増えていきます。
拡幅工事により通行車両の安全性が確保されることはもちろん良いことですが、同時にその場所に古くから生息していた動物の安全性も確保してもらいたいものです。
ケナガネズミのDORは、パトロール中の環境省の職員が回収していきました。
小春屋 |
そろそろ、喜如嘉まで移動し、「小春屋」で昼食を取ることにしましょう。
店主の市田さんに電話で人数を連絡し、全員で喜如嘉へ移動です。
うどんができあがる間を利用して各々が生きものの観察をして過します。
宇根先生は、小春屋の横を流れる小川の上流部でスワブ調査と検体の採取です。
美味しいうどんを食べた後は、松村さん夫婦は別行動。
宇根先生、農大ヤド研メンバー、フォーラムメンバーは予定通り、比地川のシリケンイモリ調査のために長尾橋まで移動します。
長尾橋の駐車スペースに車を停めて、まずは長尾橋からの景観を楽しみます。
長尾橋 | 長尾橋から比地川を望む |
さて、そろそろ急傾斜を下り、比地川に向かうことにしましょう。