Ikimono Dayori sono73
2010年 沖縄本島ラナウイルス・カエルツボカビ症調査紀行−3
オキナワアオガエルの鳴き声が高くなり、イモリ池が近いことを知らせてくれます。
イモリ池に到着するとフォーラムメンバーや農大ヤド研メンバーは、シリケンイモリやオキナワアオガエルを観察中。宇根先生は、検体の採取とスワブ調査を行っています。
イモリ池でシリケンイモリやオキナワアオガエルを観察するメンバー
スワブ調査を行う宇根先生 | オキナワアオガエル(Rhacophorus viridis viridis) |
カエルを狙ってヒメハブも集まってきています。
ヒメハブは、シリケンイモリを捕食することは無いようで、いつも完全無視を決めています。
対岸の倒木に陣取っている個体は、最大級の巨大ヒメハブです。
農大OBの大塚君が一次捕獲を試みましたが、池を渡る途中に逃げられてしまいました。
ヒメハブ (Ovophis okinavensis)
ガラスヒバァ (Amphiesma pryeri)
ガラスヒバァは、水面に張り出した潅木の上からオキナワアオガエルを狙っているようです。去年もこの木でガラスヒバァを見かけたので、お気に入りの場所のようです。
これらを撮影している内に宇根先生の調査も終わったようです。
イモリ池での調査はこれで終了です。スワブ調査を行いながら駐車場まで戻ることにします。
時計は12時を回っています。
ここからは別行動です。
宇根先生は大国林道を南下しスワブ調査を行いながらホテルに向かいます。
さくちゃんは、フォーラムメンバーの坂本さん・吉野さん・小勝さんをホテルまで送った後で単独西銘岳方面へ、農大ヤド研メンバーは、田原君と合流してハブの撮影を行うことになりました。
農大ヤド研メンバーは、田原君が吉田君に頼まれて一時捕獲していたハブを含めて4匹のハブを観察したそうです。
ヤンバルでハブを観察できる機会は、そう多くありません。一晩で4匹のハブを観察できたことは、とても幸運です。
さくちゃんも、西銘岳山麓で多くのカエル達と1匹ですがハブも観察することができました。
ハブ(Protobothrops flavoviridis)
松村さん夫婦・盛口さんグループは、複数のケナガネズミとハブ(DORを含む)を観察したとのこと。
こちらも大成果です。
ケナガネズミは、日本固有種で奄美大島、徳之島および沖縄本島北部に生息する、日本最大のネズミで、尻尾の長さを含めると60cm以上になります。
マングース(撮影:運天港付近) |
幻のネズミと言われてきましたが、ここ数年でケナガネズミを見かけることが多くなりました。
これは、小型のネズミ類にも言えることです。
これらの捕食者にあたるハブも見かけることが多くなったため、おそらく増えてきているものと思われます。
2000年からヤンバルで行なわれている、移入種のマングースや野良猫を捕獲している効果が現れて、従来の生態系が回復しつつあるのかも知れません。