その35 東南アジア・珍奇植物観察の旅(ボルネオ島キナバル山編)-4
Ikimono Dayori sono35
 東南アジア・珍奇植物観察の旅(ボルネオ島キナバル山編) Page4

エウモルペカザリシロチョウ  キナバル公園への入り口を通りすぎて6Km程度のドライブで、クンダサンの市場に到着します。道沿いをエウモルペカザリシロチョウ(Delias eumolpe)が飛んでいます。Deliasコレクターの血が騒ぎ、思わず車を停めてネットを取り出し身構えますがなかなか近くに下りてきません。飛翔中のエウモルペは、翅の表が銀色に輝き、裏面の濃黄色とのコントラストが大変綺麗です。

 市場には何時も野良牛がたむろしています。ミネラルウォーターやマンゴスティンなどを買い込んで定宿にしているプルカサ・ホテル向かいます。

野菜を売る女性 野良牛がたむろする市場
アカカブ
野菜を売る女性 花
   

 プルカサ・ホテルは山のてっぺんに建つホテルで、夜間にはホテルの灯りに沢山のクワガタムシやカブトムシが集まり、簡単に採集ができるし、昼間はカザリシロチョウが頻繁に飛んでくる、虫屋にとっては都合のいいホテルです。でも、山頂付近まで開発が進んだせいか、以前に比べて集まって来る昆虫が少なくなったのは残念です。

クンダサンから見たキナバル山 山のてっぺんに建つプンカサホテル クンダサンの町並み
クンダサンから見たキナバル山
山のてっぺんに建つプンカサホテル
クンダサンの町並み

 ホテルでチェックインを済ませて、捕虫網を持ってホテル周辺やクンダサンの川沿いの道を歩きます。お目当てのカザリシロチョウに絞って採集しますが、ついつい他の種に目を奪われてしまいます。
 川沿いでは、色々な蝶々が吸水に訪れ、時折アカエリトリバネアゲハ(Trogonoptera brookiana)も滑空しています。
 ホテル近くの鉄塔周辺に残る樹林の樹冠部には、エウモルペカザリシロチョウやシロチョウのくせに黒色をしているヘニンギアカザリシロチョウ(Delias heningia)、希にはニヌスカザリシロチョウ(Delias ninus)などが採集でき、肩慣らしにはよい場所です。
 夜間は定期的にホテルの庭園灯や街灯を見回ります。種類は限られますが、アカアシツヤクワガタ(Odontalabis femoralis)やオオクギヌキクワガタ(O.latipennis)、モーレンカンプオオカブトムシなどを沢山採集することができます。

川沿いで昆虫採集する筆者
川沿いで昆虫採集する筆者
ヘニンギアカザリシロチョウ ニヌスカザリシロチョウ
ヘニンギアカザリシロチョウ
ニヌスカザリシロチョウ
ホテルの庭園灯や街灯で採集したクワガタ ホテルの庭園灯や街灯で採集したクワガタ
ホテルの庭園灯や街灯で採集したクワガタ(一部) 拡大写真


文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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