さくちゃんの生きもの便り

Ikimono Dayori sono67

沖縄本島ラナウイルス・カエルツボカビ症調査協力紀行

5月31日 最終日です。

今日の予定は、南部に移動して、南部シリケンイモリの採取です。

10時に奥間を出発。

高速道路を利用していっきに南下し、最初の目的地の城址に残る水田に向かいます。

いつもの場所に車を停めて、カメラとタモ網を持って水田に向かいます。

 

城址に残る水田

城址に残る水田

南部シリケンイモリ

南部シリケンイモリ


再生中の尾を持つシリケンイモリ

再生中の尾を持つシリケンイモリ

再生中にもかかわらず求愛行動中のシリケンイモリ

再生中にもかかわらず求愛行動中のシリケンイモリ


 

クレソン畑のシリケンイモリ

個体数は少ないのですが、シリケンイモリが泳いでいるのが見えます。

必要数のシリケンイモリとメダカやグッピー等の魚類を採取します。

シリケンイモリの中に、再生が始まったばかりの尾を持つ♂のシリケンイモリを見つけました。

このシリケンイモリは、自分の尾が無いことを分かっていないようです。

しきりに♀の前に移動して求愛行動をとっていました。

ここでの調査はこれで終了。

次に向かったのは、南部で有名な湧水地です。

季節的な要因もあると思いますが、あまりのシリケンイモリの少なさにびっくりです。

雌雄を確認し、苦労して必要最小限の検体を採取。

これにて、全ての調査が終了。


クロマダラソテツシジミ
ガジュマル

クレソン畑のシリケンイモリ(Cynops ensicauda


低温・乾燥という最悪な気象条件下の調査で、思っていたほどの数のスワブ調査はできなかったのですが、事故や怪我も無く無事に調査が完了したことで一安心です。

宇根先生とはここで別れ、我々は斎場御嶽に向かうことにします。

斎場御嶽は琉球王国でもっとも格式の高い聖地とされ、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産(文化遺産)に登録されています。

また、斎場御嶽周辺の森林は戦火を免れたため、本島南部において最も優れた森林環境が残っており、多くの生きものが生息・生育しています。

駐車場脇で、クロマダラソテツシジミが吸水しているのを見つけて写真撮影。

どうやら今年も発生しているようです。


クロマダラソテツシジミ

クロマダラソテツシジミ

クレソン畑のシリケンイモリ

ガジュマル


 

参道を進み、砲弾池に向かいます。

涸渇しているという情報があったので心配でしたが、ちゃんと水が溜まり、オキナワアオガエルの卵塊も確認することができました。


砲弾池

砲弾池

オキナワアオガエルの卵塊

オキナワアオガエルの卵塊


 

旅の最後に、無事に調査が完了したことに感謝し、最も格の高い拝所の三庫理(さんぐぅい)から最高聖地である久高島を遥拝することにします。


三庫理

三庫理

三庫理から久高島を遥拝
三庫理から久高島を遥拝
三庫理から久高島を遥拝

 

三庫理を進み東に目を向けると、青い海と青い空との境に、久高島を遥拝することができました。

さて、そろそろ時間です。クモの観察を続けていた吉田君に声をかけ、車中に散在している調査用具を片付けて空港に向かいました。

最後に、今回の旅行に同行していただいた宇根先生とアシスタント役の旦那様、吉田君、一晩だけでしたが調査に同行していただいた徳田君や増永さん、小勝さんに感謝します。

 

いつまでも野外で多くの両生類が観察できることを願って
2009年7月7日  さくちゃんこと佐久間 聡

 

ラナウイルスとカエルツボカビ症の詳細については、下記のサイトを御覧下さい。

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文と写真:佐久間 聡(さくまさとし)

お便りの宛先はdelias@ss.iij4u.or.jpです

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