その55 イボイモリ観察紀行−7
Ikimono Dayori sono55
イボイモリ観察紀行 Page7

 ビックスリーの内、最初に姿を現してくれたのは、昨夜も姿を現してくれたナミエガエルです。
 今夜は大型の個体が多く出てきてくれたし、珍しく立ち上がった姿勢も見せてくれたので、こちらも激写です。

通常の伏せた姿勢のナミエガエル  
通常の伏せた姿勢のナミエガエル 通常の伏せた姿勢のナミエガエル
珍しく立ち上がった姿勢のナミエガエル
珍しく立ち上がった姿勢のナミエガエル 珍しく立ち上がった姿勢のナミエガエル

 次に姿を現してくれたのは、ホルストガエルです。
 ホルストガエルは、沖縄島北部と渡嘉敷島の固有種で、2005年の生きもの便り「奄美大島・請島生きもの観察紀行」で紹介したオットンガエルと共にバビナ属に含まれる近似種です。
オットンガエルと同じように、前足には5本の指があります。
 主に山地に生息し、繁殖期は5月〜8月(最盛期は7〜8月)で、山地渓流源流部の浅い流れ・池・湿地・林道の水溜り等の周辺に、丸い穴を堀って周囲に土手を作り、その中に1000個近い卵を産みます。
 ホルストガエルは、今までに何回も出会っているのですが、なぜかストロボの調子が悪かったりして納得の行く写真が撮れなかったカエルです。 でも今夜は亜成体から成体までたくさん見つけることができ、たくさん撮影しました。

ホルストガエル(亜成体)  
ホルストガエル(亜成体) ホルストガエル(亜成体)
ホルストガエル(成体)
ホルストガエル(成体) ホルストガエル(成体)

 さて、カエルの最後を飾るのは、誰がなんと言ってもイシカワガエルです。
 緑色の地色に金紫色の斑紋がある大型種で、日本の蛙の中でもっとも美しいカエルです。
 奄美大島、沖縄島北部の固有種で、個体数も少なくカエルの中でもっとも観察する機会の少ない種です。
 主に山地の渓流部周辺に生息しています。
 繁殖期は、一般的に沖縄島では1月〜2月、奄美大島では4月から5月ですが、降雨の状況に大きく左右されます。産卵は、山間渓流源流部の岩の割れ目の伏流水のある場所で行われます。
 今晩は、ホルストガエルと同様に大型の個体がたくさん姿を現してくれました。
 
イシカワガエル4景
イシカワガエル
イシカワガエル
イシカワガエル
イシカワガエル

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文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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