Ikimono
Dayori sono55 |
イボイモリ観察紀行 Page4 |
6月2日 予想に反して、晴れています。 改めて天気予報を確認すると、午後からは雨とのこと。 両生・爬虫類の観察は、雨が降り始めてから行うことにして、雨が降るまでは捕虫網とカメラを片手に、虫屋に戻る事にします。 まずは、ヤンバルの渓流でリュウキュウウラボシシジミの写真撮影です。 渓流に近づくに連れてリュウキュウハグロトンボが飛び交います。 |
リュウキュウハグロトンボ♂ | リュウキュウルリモントンボ |
リュウキュウハグロトンボは、山地渓流部に普通に生息するのですが、雄の翅の基部がメタリックブルーに輝き、大変美しいトンボです。 リュウキュウハグロトンボほど目立たないため見落としてしまいそうですが、リュウキュウルリモントンボも飛んでいます。 リュウキュウルリモントンボも山地渓流の源流域で普通に観察できるトンボです。胸部の瑠璃色が大変美しいトンボです。 |
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リュウキュウハグロトンボ♀ |
林縁で飛び交っているのは、アマミウラナミシジミです。トカラ列島以南に分布する普通種です。 近くに止まるのを待って写真撮影です。 薄暗い林縁や林内をチラチラ飛び交っているのは、お目当てのリュウキュウウラボシシジミです。 沖縄島・石垣島・西表島に分布する小さなシジミチョウですが、高校生の頃は珍種で、この蝶々の採集を目的の一つとして南西諸島に通ったものです。 近年では、イボイモリの観察中に見かける事が多い蝶々なのですが、思い入れがあるので写真撮影できるまで粘る事にします。 食草のミソナオシの花が咲いていると、吸蜜に訪れるためシャッターチャンスも多くあるのですが、未開花のためなかなか近くに止まってくれません。1時間近く粘って、やっとの思いで何回かシャッターを切ることができました。 |
アマミウラナミシジミ |
リュウキュウウラボシシジミ |
リュウキュウウラボシシジミの写真も撮影できたので、渓流を後にし車を停めているところまで戻ることにします。 林道に出て小休止をしていると、沢から張り出したイヌビワの枝先で、コノハチョウがテリトリーを張っているのが目に入りました。 写真撮影し、しばらく待っているとガードレールに降りて翅を広げてくれました。 シャッターチャンスです。 |
イヌビワの葉先に止まるコノハチョウ |
翅を広げたコノハチョウ |
コノハチョウは、沖縄本島の他、西表島、石垣島、伊平屋島、沖永良部島に分布しているタテハチョウの仲間です。 翅の形と裏面の模様が枯葉に似ている事から擬態で有名な蝶々ですが、翅を広げて止まる事が多いため効果は疑問です。 沖縄県の天然記念物に指定されているため採集は禁止です。 激しいスコールがきて林道を濡らしたかと思うと強い日差しが照りつけます。 湿った林道に、クロアゲハ、シロオビアゲハ、ナガサキアゲハ、モンキアゲハなどのアゲハチョウの仲間が給水にきます。 4種とも、普通に見る事ができるアゲハチョウの仲間です。 |
アマミウラナミシジミ |
シロオビアゲハ |
ナガサキアゲハ(左)とモンキアゲハ |
イシガケチョウ |
タテハチョウの仲間で、給水に集まっているのはイシガケチョウです。南西諸島で最も普通に見る事のできる蝶々の一種で、翅が石垣のような模様から和名が付けられています。 |
文と写真:佐久間 聡(さくま さとし) |