その27 冬の徳之島、イボイモリ採集の旅-3
Ikimono Dayori sono27
冬の徳之島、イボイモリ採集の旅 Page3

12月8日
 今日も昼間は一日イボイモリの調査と採集です。
 まず最初は、昨日下見を行った原生林の調査です。
 イタジイやスダジイが生い茂る丘陵地に渓流が流れ、その渓流沿いに林道が延びている絶好のフィールドです。林床にはスダジイのドングリやオキナワウラジロガシの巨大なドングリが沢山落ちています。林道には水溜まりも多くあります。
原生林の残る山地部
林道の水溜まり
湿潤地に生育するクワズイモ
スダジイのドングリ

オキナワウラジロガシの
ドングリ


 さっそく近くの石をはぐっていきますが、出てくるのはミナミサワガニの仲間森林性のゴキブリ、それとイボイモリの体色によく似たナメクジだけです。でも森林性のゴキブリは人家に住み着いたゴキブリとは違い、原生林に依存した原始的で格調高く実にカッコイイ昆虫です。子供へのお土産に持って帰ろうかとも思ったのですが、やっぱり躊躇してしまうところが、ゴキブリという名からくる先入観なのでしょうか。
ミナミサワガニの仲間
森林性のゴキブリの仲間
イボイモリの体色に似た巨大ナメクジ

 木漏れ日が差す林道にはアサギマダラリュウキュウアサギマダラツマムラサキマダラの3種のマダラチョウ科の蝶々がふわふわと舞っています。徳之島の標本を持ってなかったので少しだけ採集して持ち帰ることにしました。ツマムラサキマダラは、南方から飛来し近年土着した種なのですが、どんどん分布を北上させているたくましい蝶々です。昼蛾のオキナワルリチラシも見つけて採集しました。
アサギマダラ♀
 
リュウキュウアサギマダラ
ツマムラサキマダラ♂
オキナワルリチラシ


文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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