その26 秋の沖縄本島山原(ヤンバル)生きもの紀行-2
Ikimono Dayori sono26

秋の沖縄本島山原(ヤンバル)生きもの紀行 Page2

 まず最初に出迎えてくれたのは、ひょうきん者のキノボリトカゲです。毎度馴染みなのですが、カメラを向けると反対側に回り込んでしまうため、いつもはなかなか旨く撮影できません。でも今回は3人がカメラを構えて取り囲んでいるため、キノボリトカゲも観念したのでしょう。可愛いポーズをとってくれました。

オキナワキノボリトカゲ三景  
木に登っている様子
地面に降りている様子
捕まっちゃった様子

 植生や生きものの説明をしながら渓流に下りていきます。2人にイボイモリの生息環境を説明し、ハブの被害にあわないように留意点等を説明して、いよいよイボイモリの調査です。
 それぞれが、ここぞと思う場所に入り込んで石や倒木をひっくり返します。
 2人とも平気で藪こぎをしたり、細い沢に入り込んでガサゴソやっているのですが、案内役の私は気が気ではありません。
 ハブに噛まれなければいいのだけど・・・・・。
 渓流をゆっくり上流に向かいながら調査を進めます。ハナサキガエルが大ジャンプを決めて草むらに隠れます。
ハナサキガエル♀
隠れたつもりの同個体

 流れの中にはナミエガエルが身を潜めています。アカヒゲが渓流を横切る姿も見かけます。2人共多くの生きものに出会えて、大いに楽しんでいるみたいなのですが、未だに肝心のイボイモリは1匹も見つかりません。

水中で身を潜めるナミエガエル

 1時間位経過した頃でしょうか。大きな石をはぐった時です。黒い固まりがちらっと見えました。イボイモリかなーと思って手を出した途端、その固まりがいきなり鎌首を持ち上げました。ヒメハブです。ヒメハブは攻撃性が弱く、おとなしい印象の毒蛇なのですが、この個体は元気モリモリです。色々な物に噛み付いてきます。
 2人を呼び寄せて「こんなのもいるから、きーつけてねー」と言って、ヒメハブをツンツンしてアタックする様を見せてやります。これでしろちゃんも、もりちゃんも少しは慎重に行動してくれることでしょう。
ひっくり返した石の下にいたヒメハブ
攻撃態勢に入った同ヒメハブ


文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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