Ikimono Dayori sono80
2012年梅雨明け直後の沖縄本島両生爬虫類観察紀行−3
次に姿を現したのはクロイワトカゲモドキです。
トカゲモドキの観察適期は春〜秋なのですが、その中でも一番多く観察できる時期は梅雨明け前後の6月下旬です。
この夜も林道と登山道を合わせて10匹以上の個体を確認しました。
トカゲモドキは、日本が誇るキョクトウトカゲモドキGoniurosaurus属の一種Goniurosaurus kuroiwaeで、5亜種に分けられています。
沖縄島に生息しているのが、基亜種のクロイワトカゲモドキ(Goniurosaurus kuroiwae kuroiwae)です。
完全な夜行性で、主に湿潤な樹林内や沢周辺、石灰岩の洞穴などに生息し、昆虫やクモ類、多足類、陸生甲殻類などを捕食しています。
危険を感じると尻尾を持ち上げて揺り動かして注意をそらします。
尾は簡単に自切するようで、再生尾の個体を多く見かけます。
クロイワトカゲモドキ(Goniurosaurus kuroiwae kuroiwae)とそれを撮影するいがちゃん
イモリ池でシリケンイモリやホルストガエル等のカエル類を観察し、引き返すことにします。
登山道でヘビが出てきてくれなかったのでさみしかったのですが、林道に戻ると巨大なアカマタ(Dinodon semicarinatum)とガラスヒバァ(Amphiesma pryeri)が姿を現してくれました。
アカマタは、奄美諸島・沖縄諸島の大半の島々に分布する固有種で、沖縄本島でも多く見ることができるヘビです。幅広い食性の持ち主で魚、カエル、小鳥、ネズミなどを食べますが、特にトカゲ・ヤモリ類やヘビ類を好む傾向があります。
アカマタ(Dinodon semicarinatum)
ガラスヒバァは、奄美諸島・沖縄諸島の大半の島々に分布する日本固有種で、田圃や湿地、沢などの湿潤地に多く生息し、主にカエルやオタマジャクシを好んで捕食します。
ガラスヒバァ(Amphiesma pryeri)
ホルストガエル(亜成体)(Babina holsti)
ホルストガエルの亜成体を見つけてこれも撮影。
時計を見ると1時半を回っています。明日は朝から中川君と合流して観察を行うため今夜の観察はこれで終わることにします。