Ikimono
Dayori sono44 |
奄美大島・請島生きもの観察紀行−奄美編− Page2 |
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何日か前から降り続いていた雨が止んだ直後の夜です。 |
今晩は多くの動物が出てきて、きっとすごい夜になるよーとTimさんに説明しながら、住用村に向かいます。国道58号から旧道に入ると、ハロウエルアマガエルとアマミアオガエルが大合唱で我々を迎えてくれます。Timさんは録音機材を持ち出して録音開始です。でも、ここで時間を使ったら肝心な場所で観察する時間が短くなってしまうため先を急ぎます。三太郎峠の上りに差し掛かると車のスピードを落とし、注意しながら進みます。 | |
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まず最初に姿をあらわしたのは、リュウキュウカジカガエルです。繁殖のために多くの個体が集まって鳴いています。 南西諸島では普通に生息しているカエルですが、可愛らしく愛情のあるカエルです。 |
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リュウキュウカジカガエル
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次に見付けたのは、奄美を代表する大型のカエル、オットンガエルです。オットンとは、奄美地方の方言で「大きなカエル」のことで、方言がそのまま和名になったカエルです。 国産在来アカガエル科の中で最大種であり、前脚の一番内側の指(第1指)に鞘状になった肉質のこぶがあり、指が5本あるように見えるカエルです。 オットン君はその後も、一晩で何十匹も姿をあらわしてくれました。 |
オットンガエル | 顔のアップ | 前脚 |
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次に見付けたのは、毎度お馴染みのアマミハナサキガエルです。前肢を伸ばし気味にした独特の姿勢のためすぐそれとわかります。体色が緑色の個体も含め、数えるのが嫌になるぐらい沢山の個体を観察することができました。 | |
アマミハナサキガエル
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アマミハナサキガエル(緑色型) |
さて、三太郎峠に至るまでの取りは、日本で一番美しいカエルと言われているイシカワガエルです。生きもの便りでは、頻繁に登場しますが、実際にはなかなか見る機会の少ないカエルです。イシカワガエルも一晩で複数の個体を観察することができました。 |
アマミイシカワガエル |
文と写真:佐久間 聡(さくま さとし) |