Ikimono
Dayori sono44 |
奄美大島・請島生きもの観察紀行−請島編− Page3 |
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まず向かったのは、民宿の背後にある、島内唯一の水田です。昔は沢山あったらしいのですが、稲作を行っている現役の水田はここだけとのこと。 さっそく水田を覗き込むと、複数のシリケンイモリが目に入ります。タモ網で何匹かすくってみます。体色が若干濃い個体が多いように思いますが、奄美大島の個体群との顕著な違いが見いだせないので、写真撮影してリリースします。 |
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シリケンイモリが生息する水田 |
イモリ以外では、リュウキュウカジカガエルやリュウキュウアカガエルが確認できました。 |
水田内のシリケンイモリ |
用水路内のシリケンイモリ |
リュウキュウカジカガエル |
この場所は民宿からも近いので夜間観察に訪れることにして、集落の背後の山にある水源地に案内してもらいます。 水源地は、期待に反して湧水が直接コンクリート桝に流れ込む構造のため、シリケンイモリやイボイモリが生息する環境ではありませんでした。 別の場所に遊水池があるとのことなので、Timさんはそちらに案内してもらいシリケンイモリの観察、さくちゃんはゆっくり下山しながらイボイモリを探すことにします。 |
歩き始めて直ぐに、小さな沢が有りました。ブッシュを掻き分けて降りてゆくと、水量は少ないのですが、綺麗な水が流れ、所々水溜まりもあります。 なかなかの環境です。 手鍬を使って、周辺の石や倒木をひっくり返しながら、上流に向かって進んでいきます。シリケンイモリは沢山見付かるのですが、お目当てのイボイモリは一向に出てきてくれません。 Timさんへのお土産に、シリケンイモリを採集しながら進んでいくと、昼間にも係わらず苔生した岩の上でハブが休んでいるのが目に入りました。 これはラッキー。さっそくカメラをセットして写真撮影です。何枚か撮影した後にハブの場所を記憶して、石や倒木をひっくり返しながらさらに沢を詰めます。 |
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シリケンやハブが多く生息していた沢 |
するとまたもやハブさんの登場。この個体も難無く写真撮影成功。 昼間だというのに小さな沢で2匹もハブを見るなんて・・・すごすぎ。夜間に訪れると、この沢はハブだらけかもしれないナー。 |
奄美大島で観察した2匹のハブは頭から首の辺りの斑紋がストライプ状になった綺麗な個体だったのですが、請島の個体は2匹ともストライプ状の斑紋はなく、全身複雑な模様に覆われていました。 |
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ハブ |
さてさて、いくら探しても、出てくるのはシリケンイモリとハブさんだけ。そろそろ諦めて下山します。 池地集落の眺望写真や林道脇に咲く花の写真を撮影しながらのんびりと歩きます。 |
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時々バーバートカゲが林道を横断しています。チョロチョロとすばしっこいのですが、これは国産爬虫類を真剣に飼育・繁殖しているHさんのために採集しキープ。 やる気満々の太陽による炎天下を歩き続け、やっとの思いで民宿に辿り着くと、Timさんは既におばあ手作りの黒糖ピーナッツを食べながらリラックスタイム真っ直中。 遊水池では成果が無く、早々に引き上げてきたとのこと。Timさん・・・諦めが早いんじゃないのー。 |
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バーバートカゲ |
シャワーを浴びて、休憩後ちょっと早めの夕食。民宿のおじさんが採ってきた魚やイカのお刺身、伊勢エビのお味噌汁等々に舌鼓なのですが、何を隠そうTimさんはベジタリアン!! おばあ特製のサラダと卵料理をの美味しそうに食べているのでした。 夕食後は夜間観察です。 |
文と写真:佐久間 聡(さくま さとし) |