その29 春の沖縄本島山原(ヤンバル)生きもの紀行−6
Ikimono Dayori sono29

春の沖縄本島山原(ヤンバル)生きもの紀行 Page6

4月7日
 今日が最終日。眠い目を擦りながら、夜明け前の5時にホテルをスタートし、ダム湖の外周道路に到着しました(ちなみにT君はダウン)。
 明け方の鳥の囀りはすごいものがあります。遠くからヤンバルクイナの鳴き声も聞こえます。
 しろちゃんは早速に観察用の機材(フィールドスコープ)を組み立てて覗き込んでいます。
野鳥を観察中のしろちゃんとユッキー

 でもヤンバルクイナもノグチゲラも見つからないまま、いたずらに時間だけが経っていきます。ホテルのチェックアウトの時間が近づいて来たので、あきらめてホテルに戻ることにします。通常だったら最短コースで国道に出るのですが、初日も二日目も最後の最後で目的種を観察出来たため、今回も粘り腰で林道を通って帰ることにしました。期待しながら林道を走りますがやっぱりヤンバルクイナは出て来てくれません。路上を歩いているキジバトまでクイナに見えてしまいます。完全にあきらめモードで「二度有ることは三度有るんだけでねー」と呟きながら、とうとう県道2号線に到着しました。
 スピードを上げ、県道2号を与那に向かってすぐの時です。大きなカーブを曲がった車の視界に2匹のヤンバルクイナが飛び込んで来ました。車内は大興奮です。ヤンバルクイナは私達の目の前を走って近くの草むらに姿を隠しました。まさに奇跡が起こったとしか言いようがありません。
 写真撮影は出来ませんでしたが、第4関門もクリアーしました。まぐれも実力の内!!なんとか、みんなの目的をかなえてあげることが出来ました。
これで、全ての観察は終了。

 荷物をパッキングし、ホテルのチェックアウトを済まし、出発する頃には土砂降りの空模様になっていました。本部半島を回って、瀬底島のイボイモリを観察し、公設市場で買い物を済ませて那覇空港に向かいました。
 T君もYちゃんも今回の自然観察の旅を楽しんでくれたようです。僕も本当に気持ちのいい仲間達に恵まれて幸せだなーと思った旅でした。
 今回の生きもの便りに使用した写真は、私のカメラが壊れてしまったため、しろちゃんとT君・Yちゃんが撮影したものを使わせてもらいました。ありがとう。
瀬底島のイボイモリ
5月12日 さくちゃんこと佐久間聡



文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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