その29 春の沖縄本島山原(ヤンバル)生きもの紀行−5
Ikimono Dayori sono29

春の沖縄本島山原(ヤンバル)生きもの紀行 Page5

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 その後、ホテルに戻り、軽い食事と少しばかりの仮眠をとり、午後7時、夜間調査の開始です。今夜のターゲットはクロイワトカゲモドキの成体一本に絞っての出発です。
 車で林道を移動しながら、トカゲモドキがいつも多く出現するポイントを順番に見て回る作戦です。一つ一つの崖を念入りに調べますが、クロイワトカゲモドキは出てきていません。昨夜は穴の中に入っていたアカマタが出ているし、ガラスヒバァも這っているのですが、やっぱり気温が低いのが気になります。そもそも4月の上旬に、クロイワトカゲモドキを見付けることに無理があるのかもしれません。
 不安が過ぎる中、林道を歩いている時に偶然枯れ枝に留まっているリュウキュウコノハズクも見付けました。しろちゃんを呼び寄せて写真撮影をしたり、昆虫を捕まえる様子を観察したので、気分は少し上昇気味です。

アカマタ
ガラスヒバァ
リュウキュウコノハズク
 クロイワトカゲモドキの成体をみんなに観察させてあげたい一心から、先に林道をどんどん進んでいって、でもやっぱり駄目かーとあきらめかけていた時です。後ろから3人が乗った車が近づき「佐久間さーん ありがとうございましたー成体が見られましたよ」と車中から笑いながら話しかけます。てっきり冗談だと思っていたのですが、どうやら本当のようです。もう逃げているだろうと思いながらも、今年始めての成体見たさに車で引き返してもらうことにしました。
 いました、クロイワトカゲモドキ♂の成体です。気温が低いせいか動きが緩慢です。生態写真や記念写真撮影を済ませて第3の関門もクリアーです。沢山のストロボを浴びてスター気分?に浸っていたトカゲモドキは、「もう構ってあーげない」とばかりに原生林に帰っていったのでした。
 クロイワトカゲモドキ♂成体

クロイワトカゲモドキを撮影中のさくちゃん
クロイワトカゲモドキと対面できて
ごきげんのユッキー

 さて残りは、ヤンバルクイナかノグチゲラです。ホテルに向かう途中に、ダム湖畔に寄ってヤンバルクイナの寝姿を探したのですが結局見付けられずに、明日の早朝に第4関門は持ち越したのでした。



文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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