Ikimono
Dayori sono51 |
トウキョウサンショウウオ観察日記 Page1 |
トウキョウサンショウウオ三浦半島個体群観察 2007年1月28日 記録的な暖冬で、トウキョウサンショウウオの産卵も早まるだろうと思い、妻を連れて、三浦半島の生息地に行ってみることにしました。 気温は高いとはいえ、さすがにまだ1月です。例年だと3月から産卵が始まる場所なので、産卵が確認できたら記録的な早さです。 横浜横須賀道路を使って、30分ぐらいで目的地に到着です。 横須賀インターチェンジ料金所近くに車を停めて、登山道沿いの細い水路で観察の開始です。 この場所は、崖からじわじわと湧水が湧き出ているところで、トウキョウサンショウウオでは珍しく岩の割れ目や石の下に産卵していることが多くあります。 手鍬を使って、石をひっくり返します。 いくつかの石をひっくり返した時です。 |
|
登山道脇の細い水路 |
いました・いました。トウキョウサンショウウオの成体です。 |
トウキョウサンショウウオ成体♂ |
ザックからカメラを取り出し、写真撮影です。 何枚か写真撮影後、成体は妻に任せて、別の石をはぐっていきます。 妻は、成体を小枝でツンツンしながら遊んでいる様子。 その後、トウキョウサンショウウオの成体は見付かりませんでしたが、ヤマアカガエルが飛び出してきました。 これも捕まえて写真撮影です。 |
体をツンツンして遊ぶ妻 |
ヤマアカガエル |
毎年産卵している、湧水が湧き出る岩の割れ目のところまできました。 慎重に石を除きながら岩の割れ目を覗き込みます。 ありました。トウキョウサンショウウオの卵嚢です。湧水が湧き出る穴を塞ぐように団子状態で産み付けています。 外から見えるだけで4対の卵嚢が確認できます。おそらく穴の中の卵嚢を加えると6対強はあると思われます。 これから産卵する個体もいることと思われるため、今年も順調に繁殖しているようです。 |
水が湧き出る石の下にある岩の割れ目に産み付けられている卵嚢 |
記録的に早い産卵を確認し、観察はこれで終了です。 端には、タチツボスミレが可愛い花を咲かせていました。 毎年観察しているこの生息地は、開発により近い将来に消失してしまいます。 来シーズンも観察できることを願って、車に乗り込み生息地を後にしました。 |
|
タチツボスミレ |
文と写真:佐久間 聡(さくま さとし) |