その48 春の沖縄本島生きもの観察紀行−1
Ikimono Dayori sono48

春の沖縄本島生きもの観察紀行 その1−1
中部産イボイモリの生息環境
中部産イボイモリの生息環境

 2006年4月4日から6日までの3日間、春の沖縄に行ってきました。
 今年に入ってはじめての南西諸島入りです。
 今回の目的は、奄美に引き続きイモリが大好きなアメリカ人のTimさんとTimさんの知人で現在来日している両爬好きなフィンランド人を沖縄本島に案内し、沖縄に生息する生きものを出来るだけ多く観察させてあげるとともに、観察手法を身に付けてもらうこと。そして、南西諸島の素晴らしさを理解してもらい、南西諸島病に感染させ、病気仲間を増やすことです。
 まあTimさんの場合は、奄美で南西諸島病に感染しているので、今回の沖縄で重症患者に仕上げることになるのかな。奥さんごめんなさいね。

 4月4日
 Timさん達は2日から沖縄入りしているため、途中から合流するために朝一便で沖縄に向かいました。
 4時半に起床。YCATまで妻に車で送ってもらい、直通バスで羽田空港へ。
 6:25発那覇行きに乗り込み9:00前には那覇に到着しました。
 空港で機内預かりの荷物を受け取り、予約していたレンタカーに乗り込みます。
 高速道路を使って沖縄北ICまで移動し、そこから中部産のイボイモリを観察しながら徐々に北上し、宿泊地の辺土名に向かいます。
 いつも観察している具志川市・石川市で6匹のイボイモリの成体を観察し、出だしは好調。続いて恩納村で2匹の成体を観察した所で残念ながら時間切れです。
 しゃーない。絶好調なのですが、寄り道をしないで、北に向けて車を走らせることにします。
 国道58号線は、名護を過ぎると左手に東シナ海を望む快適な走行景観に変わります。窓を全開にして暖かく澄んだ潮風を胸一杯に吸い込むと、北部に差し掛かったことを実感します。ヤンバルに生息する生きもの達を観察するために何度この道を通ったことでしょうか。
 途中の大宜味村の道の駅で飲み物やバナナなどの食料を買い込み、さらに北上し奥間にある道の駅に到着。
 
 ホテルにチェックインするには中途半端な時間なので、Timさん達が観察していそうな比地大滝や大国林道の比地大橋に行ってみたのですが、それらしい車を発見することは出来ません。
 仕方ないので、林道を経由してホテルに向かいます。途中の農業用の貯水施設で車を停めて、カメラを持たないままシリケンイモリを観察します。この場所はいつも沢山のシリケンイモリが観察できるのですが、水質が悪く、ゴミも沢山捨ててあるので撮影スポットとしては不向きです。
比地大橋から見る原生林
比地大橋から見る原生林

2匹のヒメハブ
 ぐるっと一回りしてシリケンイモリを観察した後で、近くにあったトタンをはぐってみました。すると思惑通り大小2匹のヒメハブが潜んでいるではありませんか。やっぱねー・・・でも、これはラッキー。昼間に観察する事が少ない種なので、ゆっくり、トタンをもとの位置に戻し、カメラを取りに車に戻ることにします。
 カメラを持って改めてゆっくりトタンをはぐり写真撮影です。カメラを向けて近づくと、とぐろを巻いてこちらをにらみ付けます。そのポーズが何ともス・テ・キ・。何枚か撮影してホテルに向かいました。
 ホテルでチェックインを済ませ、シャワーを浴びて時計を見ると午後7時です。
あわてて、夜間観察の準備をして、待ち合わせ場所の道の駅「ゆいゆい国頭」へ向かいます。
巨大ヒメハブ

2匹のヒメハブ・巨大ヒメハブ※拡大写真あり



文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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