その43 晩秋の沖縄本島イボイモリ観察紀行−5
Ikimono Dayori sono43

晩秋の沖縄本島イボイモリ観察紀行 Page5

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 この勢いで、南部産も落としてやる!とばかりに、車に乗り込もうとした瞬間に、ビキッ・ビキッ・ビキッ・ギャー・・腰がー。
 歯を食いしばって何とか車に乗り込んで、南部に向かいます。
 南部のポイントは樹林が残っている段丘崖や御嶽や城跡などです。
 ますは、2000年に轢死体が発見された城址で観察開始と言いたいところなのですが、一面荒涼としたサトウキビ畑に意気消沈。うんざりしつつも、周辺の粗大ゴミが沢山捨ててある、段丘崖の樹林に分け入ります。
 可能性のありそうな、粗大ゴミや石をひっくり返しながら崖を降りていきます。
 南部の地形は珊瑚礁が隆起してできた隆起石灰岩台地のため、斜面が急で切り立っているため注意が必要です。
2000年に轢死体が発見された城址周辺
2000年に轢死体が発見された城址周辺

 崖の下に降り立つと、小さな水溜まりがあります。さっそく石をはぐりを開始しますが、隆起石灰岩の凸凹が岩と絡み合ってなかなかひっくり返すことができません。おまけに、至るところで線香を焚いたり蝋燭を灯した痕があります。
 こんなところで、石をひっくり返したりしていると罰が当たりそうです。丁重に御参りをしてその場を立ち去ります。
 その後、樹林が残る段丘崖を何ヶ所か調査しましたが、どこも表流水があったり、水溜まりの痕があるような場所には祠があって、とても調査ができる状況ではありません。
 せっかく南部に足を運んだので、日が落ちない内に、せめて南部産の綺麗なシリケンイモリの写真撮影だけでもと御嶽に向かいます。
シリケンイモリが生息する御嶽内の池
シリケンイモリが生息する御嶽内の池

城跡内に残る樹林  御嶽では、観光客や参拝者が多くとても写真撮影ができるような状況にないため、生息確認だけして、日本最古と言われる水田がある城跡に向かいます。
 駐車場に車を止めて、お目当ての水田まで歩きます。水田とサトイモ畑?を覗き込むと綺麗なシリケンイモリが沢山目に入ります。南部産のシリケンイモリは、大型でしかも白斑や赤ラインが多くとても綺麗です。何枚か写真撮影し、あわよくばとイボイモリを探してみますが、やっぱり見つかりません。
城跡内に残る樹林

 腰の状態もますます悪くなったので、これで全ての観察を終えることにします。
 本島南部、渡嘉敷、請島、まだ見ぬ産地のイボイモリに思いを馳せて、心地よい離陸のGに身をまかせる・・・
水田内に生息する南部産シリケンイモリ
綺麗な南部産シリケンイモリ
水田内に生息する南部産シリケンイモリ
綺麗な南部産シリケンイモリ

 とお決まりのフレーズで終わりたいところですが、腰が痛いよー。
 拙者、病院で診断の結果、全治1週間で・す・か・らー・切腹(涙)
 
2月12日 さくちゃんこと佐久間聡


文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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