Ikimono
Dayori sono37
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晩夏の沖縄(本島と渡嘉敷島)生きもの紀行 Page3
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2日目は、眠い目を擦りながら6時に起床です。 昨日、夜間調査から帰ってきたのが3時頃だったので、2時間強の睡眠時間です。 急いで荷物をパッキングし、7時にチェックアウト。那覇・泊港に向けて出発。 9時にフェリーけらまの乗船手続きをして、ほっと一息です。 待合室は、慶良間列島に向かう海水浴客でごった返しています。レストランがまだ開いていないため、コンビニで朝食を買い込んで、そそくさと冷房の効いたフェリーに乗船します。 10時に予定通り出航。港内を抜けると、海の色が濃紺へと変化します。船に驚いたトビウオが、銀色に輝くヒレを広げて、濃紺の水面を架空していきます。 何時まで見ていても、見飽きることはありません。 島影が近づいてきました。慶良間列島です。 慶良間列島は、那覇の西海上、東シナ海に浮かぶ島々で、海水浴やダイビング等のマリンレジャーの島として、また冬から春にかけてはホエールウォッチングの島として有名です。 |
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これから訪れる渡嘉敷島は、面積が15.8平方キロメートルで、慶良間列島の中で一番大きな島です。 車に乗り込み下船して、まずは島内をドライブして下見です。 渡嘉敷島は、中央部の渡嘉敷集落の背後にある低地部以外はほぼ全域が急峻な山地地形で、標高200m前後の山々が連なっています。林道が横断する沢は深く、如何にもマダラトカゲモドキやハブの生息環境といった感じです。 |
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山地地形が連なる渡嘉敷島 |
以前、固有亜種のトカゲモドキを観察・撮影するために久米島や伊平屋島に渡り、夜間の沢歩きで多くの個体を観察できたものの、ほぼ同数のハブにも遭遇し、うんざりしたしたことが昨日のことのように思い出されます。今回は、片手で納まる程度のハブとの遭遇で、勘弁してもらいたいところです。 島内を一周しましたが、イボイモリが生息していそうな環境は見つけられないまま、渡嘉敷集落に戻ってきました。 渡嘉敷集落の背後の低地は水田が広がり、圃場整備が進んでいるものの、シリケンイモリが生息し、幼生から成体まで観察できます。 用水路内は渇水期なので水量は少ないのですが、水場には多くのティラピアやメダカの仲間が生息し、それらの稚魚を捕食する多くの成体が観察できました。 |
シリケンイモリが生息する渡嘉敷集落背後の水田地帯と用水路 |
※以降、写真をクリックすると拡大表示 |
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左:シリケンイモリとメダカ類 右: シリケンイモリとティラピア |
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左:シリケンイモリ 幼体 右:シリケンイモリ幼生 |
また、採集したシリケンイモリの糞からは、水田で異常繁殖しているスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の稚貝が多数出てきたので、渡嘉敷島では稚魚や稚貝を主食にしているみたいです。 渡嘉敷島のシリケンイモリは、本島産と比べると一回りぐらい大きく、腹部の模様もバリエーションが豊富なので、少しだけ持ち帰ることにしました。 |
渡嘉敷島産シリケンイモリの代表的な腹部の斑紋パターン
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次はイボイモリ探しです。 |
文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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