その32 冬の奄美大島、生きもの紀行-2
Ikimono Dayori sono32

冬の奄美大島、生きもの紀行 Page2

 ホテルで簡単な食事と夜間観察の準備を整えて、8時にホテルをスタートし、昼間に下見した場所に車を走らせます。当初は、昼間見つけた沢を詰めて観察する予定でしたが、雨は一向に止む気配がないため車で林道を走りながらの観察に変更です。それでも路面が濡れているため多くのカエル達が林道に出てきています。
 ニホンカジカガエル(リュウキュウカジカガエル)リュウキュウアカガエルが車のライトに驚いてジャンプします。
 そのたびに車から降りて写真撮影を行います。初参加の美紀さん(森ちゃんの奥さん)も、タモ網を持ってカエルの前に立ちはだかり、やる気満々です。
ニホンカジカガエル
リュウキュウアカガエル

 カエル達を狙ってヒメハブアカマタも少ないながら姿を現します。これも思い思いに写真撮影します。あれ、でも車から出てくるメンバーが1人足りません。車の中を覗くと美紀さんが体を硬張らせて座っています。そう奥さんはヘビが大の苦手なのです。

 
ヒメハブ

写真はクリックすると拡大写真が表示されます。
アカマタ 

 さて、いよいよ本命、イシカワガエルの登場です。
 イシカワガエルは、生きもの便りの沖縄編でも度々登場するカエルですが、世界で沖縄本島の北部とこの奄美大島にしか分布していない希少な種です。また大きさや独特な模様から日本一美しいカエルと言われていますが、特に奄美大島に生息する個体群は、地色が鮮やかな黄緑色をしており、大変綺麗です。
 イシカワガエルを取り囲むようにして早速写真撮影です。四方から浴びせられるストロボの光にびっくりしたのかカエルは丸く固まって、様にならないポーズで動かなくなってしまいました。
イシカワガエルを囲んで観察している様子
 その後もイシカワガエルは度々姿を現してくれたのですが、雨が激しさを増してきたので、先を急ぎます。
周囲を囲まれて、うずくまってしまったイシカワガエル


文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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