さくちゃんの生きもの便り

Ikimono Dayori sono78

2011年 沖縄本島ラナウイルス・カエルツボカビ症調査紀行

2010年12月上旬に妻と行った沖縄本島イボイモリ観察旅行から1ヶ月が過ぎた2011年1月のある日、宇根先生からのメールが届いた。

「・・・・・ところで、佐久間さんは今度何時頃南西諸島に行く予定ですか? できれば2月ごろにもう一度行きたいと思っているのですが・・・・・」

「僕は12月にヤンバルに行ったばかりだから当分行く予定はないんですよ。申し訳ありませんが、前回調査したポイントをマッピングしますから、先生だけで行ってもらえますか」

と、丁重にお断りをしたつもりだったのですが・・・・・それから1週間ぐらいが過ぎたある日、ふたたびメールが届きました。

「今回で、沖縄での現地調査は最後になると思うので、天然記念物4種を含む多くの両生類を調査したい。交通費を工面するから、一緒に行ってもらえないでしょうか?」

交通費を出してもらい、野生生物保護センターに宿泊できれば自己負担は少なくて済むし、イボイモリをなるべく多く調査したい・・・・・・・しゃーない一緒に行くか!

「はいはーい! わかりました。同行します」と返信するさくちゃんなのでした。

それから、どたばたとメールと電話で日程や工程を調整し、3回目の「沖縄本島ラナウイルス・カエルツボカビ症調査」は2月18日から20日の3日間の日程で行うことに決まりました。

2月18日

6時半に起床。

妻にYCATまで送ってもらい、高速バスで羽田に向かいます。

8:15発那覇行きに乗り込み11:05に那覇空港に到着しました。

空港で宇根先生達(宇根先生とアシスタント役の旦那様)と合流し、機内預かりの荷物を受け取り、予約していたレンタカーに乗り込みます。

高速道路を使って沖縄北ICまで移動し、まずは中部産のイボイモリの観察です。

このポイントに宇根先生達を案内するのは初めてです。

イボイモリの生息地近くに車を停め、まずは長靴や調査用具の消毒です。次にザックに飲み物と調査用具などを入れ、カメラにストロボをセットして、渓流に向けて樹林をゆっくり歩きます。

何回通っても、期待と不安が交差する一時です。

いつものように、林内にある石や倒木等をはぐり、イボイモリを見つけたら一時捕獲し、計測とスワブ調査を行う予定です。

まずは二手に分かれてイボイモリを探します。宇根先生は安全な平場でイボイモリを探し、さくちゃんは崖やがれ場の石をはぐりながら探します。

イボイモリを見つけては写真撮影し、プラカップに一時捕獲します。

1時間程度探して10匹程度のイボイモリを見つけました。

プラパックがなくなったので、そろそろ宇根先生と合流し、スワブ調査を行うことにしましょう。

スワブ調査は宇根先生達にお任せです。

1個体ずつ写真撮影し、丁寧に計測とスワブ調査を行います。

 

中部産イボイモリ中部産イボイモリ

中部産イボイモリ(Echinotriton andersoni

イボイモリのスワブ調査

イボイモリのスワブ調査

リリース風景

リリース風景


 

全個体のスワブ調査を終えて、中部産イボイモリの調査は終了です。

10個体程度のイボイモリが調査できたので、まずまずの成果です。

長靴を消毒し、それぞれで北部の奥間へ移動します。

さくちゃんは、宿泊先の「やんばる野生生物保護センター」で研究者宿泊棟のカギを受け取り、軽く夕食を済ませ、調査用具等を準備します。

懐中電灯とカメラのストロボに電池を入れ調査用具をザックに詰めて準備完了。

午後6:30に待ち合わせ場所の「道の駅ゆいゆい国頭」で宇根先生と合流。 夜間調査の開始です。

今晩の予定は、県道2号から奥-与那林道を北上し、奥川上流部や違法伐採地周辺を調査する予定です。

奥-与那林道からは分岐が多いため、両生類を探しながらさくちゃんが先に進み、10〜15分遅れで宇根先生が進みます。

分岐点に差し掛かると、宇根先生が到着するのを待ち、また次の分岐点までさくちゃんが先行を繰り返しながら、奥川上流部の違法伐採地に到着しました。

ここでは、検体の採取とスワブ調査を行います。

水溜りと流れにリュウキュウアカガエルホルストガエルのオタマジャクシが泳いでいます。

まずは、リュウキュウアカガエルのオタマジャクシを必要数採取します。

 

リュウキュウアカガエル幼生

リュウキュウアカガエル(Rana sp.)幼生

ホルストガエル幼生

ホルストガエル(Babina holsti)幼生


検体を採取する宇根先生

検体を採取する宇根先生

検体

検体(リュウキュウアカガエル幼体)


 

オタマジャクシを採取した後は、成体のスワブ調査です。

水際に複数のヒメハブが潜んでいるため、注意深くシリケンイモリやカエル類を一時捕獲しスワブ調査を行います。

 

ヒメハブヒメハブ2

ヒメハブ (Ovophis okinavensis

 

この場所では、シリケンイモリナミエガエルハナサキガエルのスワブ調査を行うことができました。

 

シリケンイモリ

シリケンイモリ(Cynops ensicauda

ナミエガエル幼体

ナミエガエル(Limnonectes namiyei)幼体


ハナサキガエルハナサキガエル

ハナサキガエル(Odorrana narina

 

今夜の調査はこれでおしまいです。

宇根先生達と別れたさくちゃんは、一人で沢歩きを行い、イシカワガエルを観察した後でやんばる野生生物保護センターに帰りました。

 

イシカワガエルイシカワガエル

イシカワガエル (Odorrana ishikawae

 

2月19日の調査に続く