Ikimono Dayori sono78
2011年 沖縄本島ラナウイルス・カエルツボカビ症調査紀行−3
午後5時に宿泊先の「やんばる野生生物保護センター」に到着。
小休止と夕食を済まし、長靴を消毒、カメラとストロボの電池を入れ替えて調査用具をザックに詰め準備完了。
午後6:30に待ち合わせ場所の「道の駅ゆいゆい国頭」に向かいます。
宇根先生と今晩から合流される寄生虫専門家の山口大学の佐藤先生と無事合流。
夜間調査の開始です。
奥間から比地農道を通り大国林道に入り、与那覇岳登山口の駐車場まで向かうことにします。
比地農道に入り、両生類を探しながら宇根先生達が先に進み、10〜15分遅れでさくちゃんが進みます。
時々リュウキュウカジカガエルやハナサキガエルが飛び出しますが、数は多くありません。
時々ケナガネズミが林道を横切り、楽しませてくれるのですが、いつものことですがストロボをセットする前に高所へ逃げられてしまいます。
駐車場に車を停めて与那覇岳登山道を進みます。ここでも宇根先生に先を歩いてもらいましょう。
足元からハナサキガエルやリュウキュウアカガエルが飛び出し、崖の隙間でオキナワアオガエルが鳴いています。
これらを一時捕獲し、ヒルの付着の有無を確認しスワブ調査を行います。
倒木では、大きなナメクジがキノコを食べています。
これらを撮影しながら通称イモリ池へ向かいます。
時々沢のほうからピョウー・ピョウーと高く澄んだイシカワガエルの鳴き声が聞こえます。
ハナサキガエル(Odorrana narina)
リュウキュウアカガエル(Rana sp.)
キノコを食べるナメクジ
オキナワアオガエルの鳴き声が高くなり、イモリ池が近いことを知らせてくれます。
12月に妻と訪れた時にはリュウキュウアカガエルの繁殖のピークで、多くの成体が集まっていたのですが、今は成長した幼生がたくさん泳いでいます。
大きなオタマジャクシはホルストガエルの幼生です。
シリケンイモリの成体や幼生、リュウキュウアカガエルの幼生は必要数を採取し、それ以外成体はスワブ調査を行います。
シリケンイモリに付着しているヒルも採取するため、目に入るすべての個体は一時捕獲し、ヒルが付着していないかチェックします。
シリケンイモリ成体・幼生とホルストガエル幼生
シリケンイモリ成体とリュウキュウカジカガエル幼生
雨が降り始めたため、さくちゃんも捕獲を手伝います。
本降りになったころ調査も終わったようです。
不思議なことに、宇根先生とイモリ池に来るといつも土砂降りになってしまいます。
イモリ池での調査はこれで終了です。引き続きスワブ調査を行いながら駐車場まで戻ることにします。
雨が降ったため、比較的多くのカエルが姿を現しています。
滑りやすい急斜面に差し掛かった時です。
崖の穴から大きな茶褐色と黒褐色のイボイモリが姿を現しました。
しかも、黒褐色のイボイモリの前足には、複数のヒルが付着しています。
スワブ調査を行った後で、ヒルを採取します。
茶褐色と黒褐色のイボイモリ
複数のヒルが付着しているイボイモリ
イボイモリのスワブ調査とヒルの採取
大小6匹のヒルが付着していました。
全てのヒルを採取して、その場にリリースします。
イボイモリは、歩きやすくなったのか、ゆっくりと巣穴の中に帰っていきました。
その後もナミエガエルやリュウキュウアカガエルのスワブ調査を行ったり、アカマタを観察したりして下山しました。
ナミエガエル(Limnonectes namiyei)
アカマタ(Dinodon semicarinatum)
今晩の調査はこれでおしまいです。
宇根先生達と別れたさくちゃんは、大国林道を北上し、県道2号を経由してやんばる野生生物保護センターに帰りました。
オキナワアオガエル(Rhacophorus viridis viridis)