さくちゃんの生きもの便り

Ikimono Dayori sono78

2011年 沖縄本島ラナウイルス・カエルツボカビ症調査紀行−2

2月19日

今日の昼間の予定は、比地農道に隣接した農業用集水施設でオキナワアオガエルの卵塊を採取した後で、東村まで移動し、イボイモリの調査を行う予定です。

9:00道の駅「道の駅ゆいゆい国頭」で集合。

さっそく比地農道を進み、農業用集水施設に向かいます。

この場所は、富栄養化が進み水質は悪いのですが、シリケンイモリやオキナワアオガエルが生息している場所です。主のような巨大ヒメハブも生息していたのですが、ここ数年その個体は目撃していません。

農道脇に車を停め、農業用集水施設を覘くと、狙い通り沢山のオキナワアオガエルの卵塊が目に入りました。

一安心です。卵塊の採取は宇根先生にお任せすることにしましょう。

 

オキナワアオガエル卵塊

オキナワアオガエル(Rhacophorus viridis viridis)卵塊

卵塊を採取する宇根先生

卵塊を採取する宇根先生


 

施設内に落ちちゃわないかと心配しましたが、無事卵塊も採取できたようです。

さて、そろそろ東村のイボイモリポイントへ移動することにしましょう。

国道58号を北上し県道2号を経由して、東村に到着。

細流脇に車を停めてイボイモリを探します。

 

イボイモリイボイモリ

イボイモリ(Echinotriton andersoni

イボイモリのスワブ調査を行う宇根先生1イボイモリのスワブ調査を行う宇根先生2
イボイモリのスワブ調査を行う宇根先生3イボイモリのスワブ調査を行う宇根先生4

イボイモリのスワブ調査を行う宇根先生

 

この水系のイボイモリは、茶褐色の個体が多いことが特徴です。

また、シリケンイモリが多い水系ではイボイモリが少ない傾向があるのですが、ここではイボイモリとシリケンイモリが同じ石の下に隠れていることが多く、ほぼ同じ比率で見つかります。

1時間ぐらい探したでしょうか?

10個体程度の調査できたので、遅い昼食を済ませて昼間の調査はこれで終了、夜間調査に備えることにします。

 

イタジイ群落

イタジイ群落

ヒカゲヘゴ

ヒカゲヘゴ


エゴノキ

エゴノキ

カンヒザクラ

カンヒザクラ


コモウセンゴケ

コモウセンゴケ

斜路付側溝


 

風景や植物の写真を撮影しながら宿舎に帰ることにしましょう。

既設の林道の側溝(U字溝)に、ロードキル防止を目的として、新たにスロープを設置している箇所が多くあったので、その写真も撮影しておくことにしましょう。

林道整備の是非は別として、新たに整備された林道には小動物が側溝に落ちない工夫や落ちた場合でも自力で脱出できる工夫が行われているのですが、古くから整備されている既設の林道や一般道では整備されていない区間が多くあります。

このような路線や区間には、早急な、ロードキル対策が求められます。

 

夜間調査に続く