Ikimono Dayori sono59 |
春の徳之島 生きもの観察紀行 Page1 |
5月16日から18日までの3日間、久しぶりに徳之島へ行って来ました。 さくちゃんの生きもの便りに、徳之島の生きもの紀行を掲載したのが2001年12月ですから、かれこれ7年ぶりに生きもの便りに登場です。2001年「冬の徳之島イボイモリ採集の旅」はこちら |
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徳之島は鹿児島県に属し、鹿児島県本土から南へ約470Km、奄美群島のほぼ中央に位置する周囲84Kmの島です。 生物的には、アマミノクロウサギや、イボイモリ、アカボシゴマダラ等、奄美大島との共有種の他に特産種のオビトカゲモドキを産するなど大変興味深い島です。 |
今回の徳之島の目的は、一人でのんびりと徳之島の自然に触れて、イボイモリやオビトカゲモドキなど両生爬虫類の観察と生態写真を撮影することです。 朝6時半に我が家を出発し、羽田から鹿児島経由で12時近くに徳之島に到着しました。 |
タラップを降りて、徒歩で空港ロビーまで移動します。 機内預けの荷物を受け取り、予約していたレンタカーに乗り換えて、県道83号を南下し、7年前にイボイモリをたくさん見つけた地域に向けて車を走らせます。 過去の記憶をたどりながら車を走らせますが、新しい道やトンネルが建設されて、どこを移動しているのかわからなくなってしまいます。 要所要所で車を停めて現在地を確認します。 何度か道を間違えながら、目的地に近づくと「ダム建設工事」の標識が現れました。 嫌な予感を感じつつ車を走らせると、目的地に至る道路は工事中で通行止め。仕方なく指定されている迂回路を進むと、建設中のダムに架かる橋が現れました。 橋の上に車を停めて辺りを見渡すと、以前イボイモリをたくさん観察した場所はダム工事により改変され、原形を留めていません。また、その周辺も広範囲で伐開されているようです。 おそらく、ダムにより水没する区域なのでしょう。 |
ダム建設に関連して新しく整備された道路 |
建設中の徳之島ダム |
この状況だと、この地域でイボイモリを観察するのは不可能のようです。 急に戦意消失(涙) 本格的な観察は明日行うことにして、夜間観察場所の下見をしながら宿泊予定地の亀津へ向かうことにします。 |
リュウキュウアサギマダラやアサギマダラが路傍をフワフワと飛び交い、時にセンダングサで吸蜜し、南国情緒を醸し出しています。 咲き始めたばかりのイジュの花には、キイロアシナガコガネやキムネカミキリモドキがたくさん群れています。 |
リュウキュウアサギマダラ | アサギマダラ |
キイロアシナガコガネ | キムネカミキリモドキ |
どれも普通種ですが、時々車を停めてはまめに写真撮影をしながら進みます。 宿泊先の亀津に近づいた時です。 民家に生垣として植えてあるイヌマキの周辺で、キオビエダシャクが飛び交っているのを見つけました。これは、さくちゃんお気に入りの昼蛾です。 |
徳之島の個体は採集したことがなかったので、車を停めてネットを組み立て、ザックから三角ケースを取り出して採集開始です。 近くに止まることなく飛び交っているため、写真撮影のチャンスはないのですが、空中戦で次々に採集します。 発生初期のようで、どの個体も新鮮で、とても綺麗です。 30分ぐらい採集したでしょうか。そこそこ採集できたので、ネットをたたんでホテルに向かうことにします。 |
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キオビエダシャク |
目次 |
文と写真:佐久間 聡(さくま さとし) |