その31 晩夏の沖縄本島山原(ヤンバル)生きもの紀行−5
Ikimono Dayori sono31

晩夏の沖縄本島山原(ヤンバル)生きもの紀行 Page5

 その後は、ハナサキガエルを観察したぐらいで、めぼしいものは見つからないまま、水汲み場までやってきました。
 水汲み場は、相変わらずのカエル天国です。湿った場所にはニホンカジカガエルが沢山集まっています。抱接中のカップルもいます。水の中には上陸して間もない 2cm足らずのナミエガエルが沢山います。成体も落ち葉のカゲに隠れていました。

ハナサキガエル
ニホンカジカガエル
ニホンカジカガエル抱接中
ナミエガエル(幼体)
ナミエガエル(成体)
ナミエガエル(成体)顔のアップ

 さて、これで今夜の観察も終了です。
 50年ぶりの台風被害にあったにも関わらず、山原の生きもの達は、当然の如く逞しく生き延びていました。両生類達の幼生の多くは、沢や渓流の氾濫で流されたと思われますが、下流で生き延びた個体は、結果的に沢や渓流の氾濫を利用して分布を拡大しているように感じました。
 台風等の天災は、生きもの達の生き残り戦略の中で、分布の拡大・拡散を促進するフラッシュ現象を誘発する気象条件として、しっかり位置付いているようです。
 やはり、生きもの達の永続的な生存を脅かすのは、むやみな開発行為だけなのかもしれません。

 16日 最終日は、ゆっくりとで朝食をとり荷物をパッキングして、那覇に向かいました。那覇では、窯屋通りで沖縄陶器を見学・購入したり、牧志公設着物市場でおばあさんからアンティークの芭蕉布の切れ端を購入したりと、のんびりと観光気分を味わうことができました。最後はもちろん第一公設市場で食材を購入し、空港に向かいました。

 
那覇で見かけた古民家
那覇の壺屋通り(東窯)
 
 
雰囲気を醸し出す土塀
アンティークの芭蕉布

10月20日   さくちゃんこと佐久間聡


文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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