その23 春の奄美大島、生きもの紀行-3
さくちゃんの生きもの便り(その23) 春の奄美大島、生きもの紀行-3

6月27日
 実質的に今日一日が最後の調査日です。朝から気合いが入っています。
 でも明け方から土砂降りの雨。それでもめげないで朝食を済ませ、8時30分に出発し、10時に中央林道到着。車を止めて、片っ端から石や倒木をひっくり返して行きます。毎度の事ながら私はユンボ・私はユンボ・私は工業機械・私は工業機械と呟きながら。

   
イボイモリ
 
イボイモリを手にとって記念写真
 

 30分位経過したころでしょうか。大きな落ち葉をはぐった瞬間です。ジャン、ジャ、ジャーン。いました。奄美産のイボイモリの発見です。この個体は五体満足。元気ぴんぴんです。生態写真を撮影し、手に持って記念写真を撮ってほっと一息。周りには同じ様な場所が山ほど有ります。複数見付けたも同然と頭の中で皮算用が駆け巡ります。しつこくまとわりつくブヨや手足に登ってくるアリをものともせす、片っ端からはぐって行きますが・・・やっぱり次が見付かりません。



奄美大島の渓流

 しょうがないのでこの場所をあきらめて、今日の調査のメーンイベント、昨日見付けておいた渓流岸の調査箇所に移動します。悪路を移動すること30分。ふと見たガソリンメーターが危険ゾーンを指してるではないですか。カビーン・・・こんな所でガス欠になったらどうしようもありません。一応、携帯電話もチェックしてみましたが「こんな所で通じるわけないでっしゃろ」とあっさりした返事。
 仕方なく名瀬まで引き返し、給油後、私が好きな日本画家、田中一村が晩年を過ごした民家や高倉等を見学した後、ホテルに帰って夜の調査に備えることとしました。

   
田中一村が晩年を過ごした家
 
奄美の高倉
 

一村の作品(奄美の杜)

春の奄美大島、生きもの紀行-4に続く 

文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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