Ikimono Dayori sono87
久米島両生爬虫類観察紀行−2
午後8時、遅い日暮れを待って今晩の調査地に向かいます。
空は満天の星が輝き、時々ホタルが飛び交っています。
懐中電灯の明かりを頼りに林縁を歩くと、数は少ないのですがリュウキュウカジカガエルやヒメアマガエルが飛び跳ねます。
リュウキュウカジカガエルは、トカラ列島口之島以南の南西諸島に、ヒメアマガエルは、喜界島・奄美大島以南の南西諸島に広く分布している種で、両種とも海岸付近からの集落や農地、山地部の樹林地まで幅広い環境に普通に生息しています。
ヒメアマガエル(Microhyla okinavensis)
リュウキュウカジカガエル(Ovophis okinavensis)
麻布大学の宇根先生からウシガエルとシロアゴガエルの幼生のサンプリングも頼まれていたので、用水路や池で探しますが、成体しか見つかりません。両種とも外来種なのでちょこっと写真撮影して、それ以降は完全無視。
ウシガエル(Lithobates catesbeianus)
林床や沢沿いを歩くと、クメトカケモドキも姿を現してくれました。
トカゲモドキは、日本が誇るキョクトウトカゲモドキGoniurosaurus属の一種Goniurosaurus kuroiwaeで、5亜種に分けられています。
トカゲモドキは完全な夜行性で、主に湿潤な樹林内や沢周辺、石灰岩の洞穴などに生息し、昆虫やクモ類、多足類、陸生甲殻類などを捕食しています。
危険を感じると尻尾を持ち上げて揺り動かして注意をそらします。
尾は簡単に自切するようで、再生尾の個体を多く見かけます。
久米島に生息しているのは、クメトカゲモドキ(Goniurosaurus kuroiwae yamashinae)です。
クメトカゲモドキは、5亜種のうち最も原始的な形態を残していると言われ、斑紋や虹彩は黄色みが強くとてもエレガントな種です。
希少性は、イヘヤトカゲモドキや伊江島のマダラトカゲモドキには劣りますが、美しさでは本種が一番。さくちゃん一押しのお気に入りトカゲモドキです。
クメトカゲモドキは、二晩で50匹内外の個体を観察することができました。
これらを撮影しながら観察は続きます。
撮影の様子
クメトカゲモドキ(Goniurosaurus kuroiwae yamashinae)
シロアゴガエル(Polypedates leucomystax)