Ikimono Dayori sono77
2010年 冬の沖縄本島イボイモリ観察紀行−3
イモリ池に近づくと、キュッキュッキュッとか細い声ながら、大合唱が聞こえてきました。
イモリ池はリュウキュウアカガエルの繁殖真っ只中。
何百匹のリュウキュウアカガエルがイモリ池に集まって囀っています。
包接している個体などを撮影していると、時々ギャーという悲鳴が聞こえます
ライトを当てるとガラスヒバァやヒメハブがリュウキュウアカガエルを捕食しています。
リュウキュウアカガエルの繁殖真っ只中のイモリ池
リュウキュウアカガエルは、ヘビによる捕食圧を軽減するために、短期間に集中して繁殖を行うようになったのでしょう。
この様な光景に遭遇することができるから、フィールドワークはやめられません。
昼間には姿を見ることの少ないシリケンイモリやホルストガエルの幼生の写真を撮影し、イモリ池を後にします。
車に戻り、大国林道を北上して県道2号を経由し、ホテルに戻ることにしましょう。
相変わらず林道には生きものの影が薄く、唯一アカマタが姿を現してくれただけでした。
時計を見ると午前1時を回っています。
明日は、早朝からヤンバルクイナの観察に出かけるつもりなので、これで今晩の観察は終了です。
12月5日
夜明け前から移動し、ヤンバルクイナを観察する予定でしたが、ポイントに着いた時には日も上がり、ヤンバルクイナの姿は見ることができませんでした。
仕方ないので、道の駅「道の駅ゆいゆい国頭」のヤンバルクイナ君をカシャリ。
鼈甲色に輝くカタツムリ
鼈甲色に輝くカタツムリ
一旦ホテルに戻り小休止とチェックアウトを行い、海岸で写真を撮影しながら国道をのんびり南下します。
海岸の風景とミサゴ
青い海と空を背景にミサゴやサシバが飛翔しています。
サンゴ礁の砂浜に打ち寄せる波が、太陽光を乱反射し輝いて見えます。
潮騒が心地よく、時間が経つのを忘れさせます。
南下を続け、那覇に到着後、公設市場と壺屋大通りで買い物を済ませ、空港に向かいました。
最後に、今回の旅行で半日ですが合流していただいた中川遊野君や謎のカエル好きミュージシャンさん達、ならびによき理解者の妻に感謝いたします。
また、今回使用したイシカワガエルの写真は、謎のカエル好きミュージシャンさんが撮影した貴重な写真をお借りしました。重ねて御礼いたします。
この時点では、2か月半後に、カエルツボカビ症の調査で、宇根先生と再びヤンバルを訪れるとは想像も付きませんでした。
2011年9月6日 さくちゃんこと佐久間聡
アカマタ(Dinodon semicarinatum)