Ikimono Dayori sono65
カエル池プロジェクト2009
さて、トウキョウサンショウウオはというと、カエル池の周辺から眺めても少数の卵嚢しか確認できません。
不安な気持ちを抱えながら、池の中に入って葦簀のシェルターをはぐってみます。
葦簀の下に設置した枝を見ると複数の卵嚢が産み付けられているのが見えます。
トウキョウサンショウウオの調査風景 |
トウキョウサンショウウオの多くは、アライグマの襲撃を逃れて葦簀の下で産卵したと思われますが、葦簀の下以外の卵嚢は捕食された可能性もあります。
成体と卵嚢は、カエル池ごとで数を数えて、アライグマに捕食されないように全て葦簀の下にリリースしました。
全てのカエル池を調査した結果、成体5匹、卵嚢58房、死亡成体1匹を確認しました。
卵嚢の多くは、葦簀シェルターの下に設置した枝葉と水深が深い(アライグマの脚が届かない深さ)場所で確認されたことから、葦簀シェルターの下以外の浅い場所に産み付けられた卵嚢の多くは、アライグマに捕食された可能性が高いものと思われます。
アライグマに捕食されたことはとても残念ですが、アライグマ対策として、葦簀シェルターの設置や水深を深くすることが効果的であることが分かりました。
去年は、繁殖期の途中で心無い人に卵嚢を持ち去られてしまったようなので単純比較はできないのですが、カエル類の産卵は大幅に増加し、トウキョウサンショウウオの産卵も増加傾向にあると思われます。
水面に写る調査者の影と卵嚢 |
産卵直後の卵嚢 |
陽に当てると銀色に輝く卵嚢 |
若い個体が産卵したと思われる小さな卵嚢 |
トウキョウサンショウウオ成体 |
確認した卵嚢の中には、若い個体が産卵したと思われる小さな卵嚢も含まれていました。
このことは、局所集団の生活環が維持されていることを裏付けるものです。
さて、全ての調査を終えて、ノンちゃん特製の韓国風創作スープを飲みながらの遅い昼食です。
近くの小学校に通う女の子達が、学校で飼育するためのオタマジャクシを捕まえにやってきました。
女の子達がオタマジャクシを捕まえている姿を見ながら「カエル池プロジェクト」の進展に思いをめぐらせると、思わず顔がほころびます。
これからも楽しく心豊かな仲間達と、共働作業を続けて行きたいと思う、さくちゃんなのでした。
楽しく心豊かな仲間達
5月8日 さくちゃんこと佐久間聡
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