その40 東京産サンショウウオ・イモリ観察日記−3
Ikimono Dayori sono40

東京産サンショウウオ・イモリ観察日記 Page3

 水場に近づいてみると、トウキョウサンショウウオの卵嚢が幾つも観察できます。ざっと数えただけでも30対以上はあるようです。
 水底の落ち葉を手鍬でかき分けると、複数の成体も見つかりました。
トウキョウサンショウウオの卵嚢
トウキョウサンショウウオの卵嚢
トウキョウサンショウウオの卵嚢

 またまた写真撮影です。Tさんは相変わらず写真撮りまくり。
 トウキョウサンショウウオも卵嚢と成体が観察できてパーフェクト!!
 お後はニホンイモリのみです。
 実はトウキョウサンショウウオの観察にこの場所を選んだのは、この水場にはニホンイモリも集まるからだったのですが、タモ網で水底の落ち葉を浚っても、出てくるのはトウキョウサンショウウオの成体のみです。
 贅沢な悩みですが、サンショウウオよりもイモリをこよなく愛しているTさんのために、なんとかイモリを見つけなくては!!
トウキョウサンショウウオ 成体
トウキョウサンショウウオ 成体

 この水場で探すのをあきらめて、Kさんが去年見つけた別の場所に移動してイモリを探してみることにします。
 その場所は、谷戸を流れる小川なのですが、コンクリートブロックの護岸で環境はあまり良くありません。
 小川の中でガサゴソ探したり、田圃の用水路でガサゴソと探しますがやっぱり見付かりません。
 3人ともかなりあきらめモードが漂ってきた時です。
 小川の上流にある水溜まりを見つけました。ここならいるかもしれない。
 水底に溜まった落ち葉をタモ網ですくってみます。
 いました。ニホンイモリです。しかも2匹。何匹かが泳ぎ逃げる姿もあります。
 大声でTさんを呼びます。
 水底を覗き込むと、いるは・いるは、その数20匹強!!
 こんなにまとまった数の東京産のイモリを観察したのはこれが初めてです。

ニホンイモリ ニホンイモリ

ニホンイモリ


 Tさんは、いよいよ絶叫モードで写真撮りまくり。1人でイモリの世界に入り込んでいます。この状態だと当分この世に戻ってきそうもありません。
 Tさんの邪魔をするのもなんだから・・・とか言いながら、我々2人は上流側でトウキョウサンショウウオを捜すことにします。
 30分ぐらい探して、成体と多くのホトケドジョウを観察し、Tさんのところに戻ってみると・・・いまだに写真撮影の中。
 恐るべきイモリへの情熱。
 ヒダサンショウウオやトウキョウサンショウウオよりもニホンイモリを観察できて喜ぶ姿を見て・・・やっぱり変なアメリカ人であることを再認識(笑)
 愛すべき変なアメリカ人なのであーる!!まちがいない!!
 Kさんの力によるところが大きいのですが、これで全ての目的を達成。
 時計を見ると午後3時です。
 まだ時間は早いのですが、東京都に生息するもう一種のハコネサンショウウオを観察に行くには時間が足りません。
 残念ながら今日の観察はこれで終了です。次回はハコネサンショウウオの観察に行くことを約束して帰路につきました。
 写真上:ニホンイモリを探すTさん
 写真下:お尻が濡れるのも気にしないでイモリを撮影するTさん
ニホンイモリを探すTさん
お尻が濡れるのも気にしないでイモリを撮影するTさん
 

 今回掲載した写真の一部は、Tさんが撮影した写真を使わせてもらいました。
 Kさんは、案内役を快く引き受けて下さいました。
 両者に感謝して今回の生きもの便りはおしまいです。
 春のサンショウウオ観察はまだまだ続きます。
5月11日 さくちゃんこと佐久間聡


文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
お便りの宛先は、delias@ss.iij4u.or.jp です