さくちゃんの生きもの便り(その13)
春の女神 ギフチョウ 3

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●ギフチョウを見付けるこつ
 

●やはり分布密度の高い産地へ行くことです。ギフチョウの観察や採集は、分布が限られていること、発生時期が地域によって違うこと、ギフチョウの活動が気象(日照、温度、風)に左右されること等、中級〜上級者向きの種と言えます。なるべく産地の情報を収集し出かけることを進めます(連絡いただければ、一般的な産地でしたら私も情報提供できます)。


●観察日は、天気の良い日を選んで出かけて下さい。そして、9時頃には産地に着くようにして下さい。ギフチョウは午前中に最も活発に活動し、午後の1時頃には活動しなくなります。また、午前中は林床低く飛びますが、午後になると梢高く飛ぶようになり、観察しにくくなります。

●産地に着いたら、小高くなっている所や尾根、木漏れ日が沢山入る森林内の空地でギフチョウが飛来するのを待ちましょう。ギフチョウはこの様な環境に集まってくる習性があります。

●観察には、採集するしないに関わらず捕虫網を持っていきましょう。ギフチョウと見間違えるアゲハの春型が飛んでいるからです。アゲハの春型はギフチョウと同じぐらいの大きさで模様も似ているため、始めの内は飛んでる姿だけでは区別が難しいです(慣れると簡単なのですが)。

スギの伐採地でヒメギフチョウ
の卵塊を探している様子
ギフチョウの吸蜜植物の一つ
ミツバツツジ

 一般の人がギフチョウの観察や採集をするのはなかなか難しいのですが、是非、自分の目で春の女神と称される可憐で美しいギフチョウの観察にチャレンジしてみて下さい。ギフチョウに出会えなかったとしても、芽吹き始めた樹木やヤマザクラ、ミツバツツジの花々に囲まれて春の息吹を体一杯に体感できることと思います。
 ギフチョウは、開発による生息地の減少や森林管理の放棄による生息環境の悪化等により、減少化が進みつつある蝶々の一つです。もし、ギフチョウの成虫や卵を見つけてもむやみに沢山採集するのはなく、生息に影響がないように少しだけ採集し標本を作りましょう。
 さあ、ポケット図鑑と捕虫網を片手にギフチョウに会いに行きましょう!!

3月31日 さくちゃんこと佐久間聡



文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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