さくちゃんの生きもの便り(その12)
オーストラリア観光旅行で出会った生きもの その3-2

 がついている写真は、クリックすると拡大表示されます。

 滝に到着して一休みの後、渓流沿いの湿ったトレイルを進みます。葉っぱの上で休んでいる可愛いカエルを見つけました。アマガエル科のカエルのようですが名前が解りません。
 続いて見つけたのは10cm位の茶褐色の小さなトカゲでした。枯れ草や枯れ木のそばに生息しているため、まわりの色と同化してなかなか見つけられませんでした。巨大なイチジク科の絞め殺し植物の前で記念写真も撮りました。絞め殺し植物は熱帯地域によく見られる植物で、寄生主の植物に着生し、生長するに従って、徐々に寄生主を取り囲んで絞め殺してしまう植物です。

巨大な絞め殺し植物
(イチジク科)

アマガエル科のカエルの一種
小さなトカゲ

 次に見つけたのは巨大なスキンク科のトカゲのヒガシアオジタトカゲです。ペアで日光浴に出てきた個体のようです。真っ黒く光沢があり、60cm程度の大きさがあります。4m位まで近づくとシューという音を出して威嚇してきます。実は別の場所で娘が見つけたのですが、その時は撮影する前に逃げられてしまったトカゲだったのです。だから、どうしてももう一度見つけたかったのです。このトカゲを妻は“ウナギイヌ”と呼んでいます。


ヒガシアオジタトカゲ

 時間が随分過ぎてきました。そろそろ引き返そうかと思っていたところ、オーストラリア人の男性二人組が、この先で2.0m強のヘビを見て怖くて引っ返してきたという情報をくれました。ヒガシアオジタトカゲの居場所を教えてあげたので、そのお礼だったのかもしれません。見つけられる可能性は低いと思ったのですが、とりあえず行ってみることにしました。10分位歩いたでしょうか。やっぱりダメかと思い始めた時でした。いましたいました。2.5mは楽に超える巨大なカーペットニシキヘビです。カメラを構えて近づいていきますがピクリともしません。あまりの巨大さに、ビデオを回している妻は「もういい」と言いながら後ずさりしてます。子供達は僕の後に付いてきます。あまりに動かないため写真撮影を終えた後、棒ツンツンしてやりました。そして、動いてる姿をビデオに収めて昼の部の散策を終了しました。

 
 
カーペットニシキヘビ

 帰り道は蝶々の幼虫や倒木をひっくり返して昆虫等の小動物を探しながら戻りましたが、目的の昆虫は見付けられず、代わりに真っ黒で大きなタマヤスデをいくつかとアゲハチョウ科の幼虫を見つけました。ナショナルパークの入り口に戻ると、カササギフエガラスのペアが仲良く歩いていました。


タマヤスデの一種
アゲハチョウ科の幼虫
カササギフエガラス

 夜は、現地ツアーでグローワーム(土ボタル)とオポッサムを観察に行きました。グローワームはその名の通り発光虫で手に触れても強い光にあたっても死んでしまう、はかなくて繊細な生き物(ユスリカに近い昆虫の幼虫)です。

 真っ暗な森の中に分け入ってたどり着いたところは、満天の星が間近に降りてきたような幻想的な光景でした。残念ながら写真が無いのですが、またひとつ珍しい生き物に出会いオーストラリア最後の夜を楽しむことが出来ました。
 2月2日は慌ただしくオーストラリアを後にし、無事成田に到着しました。


 今回の生きもの便りは、海外での生き物とのふれあいを取り上げてみました。
 今後も半年に1度位のペースで、海外で出会った生き物達を紹介しようと思っています。
 横浜では菜の花が咲き始めました。生き物達の活動が活発化する季節までもう少しです。第1回目の生きもの便りで紹介したヒキガエルは公園の池にいつ頃産卵に訪れてくれるでしょうか。ヤマアカガエルの産卵は既に始まっているようです。着実に春は近づいています。
 ではこの辺で、2000年最初の生きもの便りを終わりにします。

2000年2月29日
さくちゃんこと佐久間聡


クロガオミツスイ その1を見てね!
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文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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