さくちゃんの生きもの便り(その11)
 
●晩秋の沖縄本島山原(ヤンバル)生きもの紀行 その3

11月28日
  早朝から慌ただしく帰り支度をして、昼前に牧志公設市場に到着。ところがどこか様子が変です。な・な・なんと市場が休み!!季節物の今期絞ったシークアーサの100%果汁等は入手したものの、買って帰ろうとしていた総菜や漬け物、島らっきょうは・・・。あーあ、しゃーない。やっぱ、こりゃ、また二人で来るしかないかー。
 
  今回の生きもの便りはこれでおしまい、と言いたいところなのですが、1900年代最後の生きもの便りとして、今回主役となったイボイモリの簡単な解説とイボイモリの仲間(同属)で、現在我が家で飼育しているイボイモリ達を紹介(自慢)して、今回の生きもの便りを終わりにしたいと思います。恐らくこれだけのイボイモリ属が一同に写真で見られるのは世界で初めてだと思います。

イボイモリの解説

  イボイモリは、原始的なイモリの仲間で、同属の種はヒマラヤ東部〜中国南部にかけて6種程度が地理的な遺存分布していますが、未記載種もいるらしく、詳しくは解っていません。
 日本に分布するイボイモリ(Tylototrion andersoni)は琉球列島中央部の奄美大島、徳之島、沖縄本島、瀬底島、渡嘉敷島に分布しています。
 生活史・生態は、イモリ類の中でも極めて特異で、幼生から変態した後はほとんど水中に入ることはなく、精子の授受や産卵も陸上で行われ、孵化した幼生は自力で水中に入って生活します。食性は、ミミズ、ワラジムシ、クモ、甲虫類等らしいのですが、我が家の徳之島産の飼育経験からは、動きの早いクモや甲虫類等は捕食できないようで、ミミズをよく食べています。
 では、解説はこれぐらいにして、我が家のイボイモリ達を紹介します。

※写真はクリックすると拡大表示されます。


イボイモリ
(Tylototrion andersoni)
 徳之島産
ミナミイボイモリ
(Tylototrion shajing)
コイチョウイボイモリ
(Tylototrion kweichowensis)
アメイロイボイモリ
(Tylototrion verrucosus)
アカミミ(ターリャン)
イボイモリ
(Tylototrion taliangensis)

 今年一年ご愛読していただきまして本当にありがとうございました。 来年もできるだけコンスタントに、身近な生きものを中心に生き物達の話を掲載していきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
  20世紀最後の年も皆様にとって良き年となりますようお祈り申し上げます。

1999年12月18日


ヤンバルマイマイ 日本最大級のカタツムリ
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文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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