さくちゃんの生きもの便り

Ikimono Dayori sono86

2015年ヒダサンショウウオ観察会−1

2015年2月11日(水)と2014年2月28日(土)の2回、ヒダサンショウウオ観察会を行いました。

 

ヒダサンショウウオ(Hynobius kimuraeは、本州の関東以西に分布する、本州西部を代表する流水産卵性のサンショウウオです。

止水産卵性のトウキョウサンショウウオ等と比べると大型で、体色や斑紋の変異が著しいのですが、背面に不規則な細かい橙黄色の斑紋が散りばめられた綺麗なサンショウウオです。

関東の個体は、地色が青みがかっていることが多く、橙黄色の斑紋とのコントラストが強く感じられますが、橙黄色の斑紋がほとんど無い個体もいます。

ヒダサンショウウオの成体は、気温と水温とが逆転する(水温の方が高くなる)12月頃から渓流に集まり、地域によりますが2月から4月にかけての繁殖期に渓流内の大きな石の裏に青白く輝く1対(2房)の卵嚢を産卵します。

産卵を終えた雌は、直ぐに渓流を離れ樹林地へと帰っていきますが、雄は繁殖期が終わる4月頃まで雌を待ち受けています。

孵化した幼生の多くは、渓流内で越冬し翌年の夏頃に幼体となり上陸します。

 

2015年2月11日

西多摩自然フォーラムの定例調査会として、ヒダサンショウウオ観察会を行いました。 参加者は麻布学園生物部のメンバーも参加して15人。 JR武蔵五日市駅に集合し、車で登山道口まで移動です。 長靴に履き替え、ザックにカメラや昼食を詰めて、バールを杖代わりに登山道を歩きます。残雪が予想以上に深く、悪戦苦闘しながら目的の沢に到着しました。

 

雪道を進む参加者 雪道を進む参加者
雪道を進む参加者 雪道を進む参加者

雪道を進む参加者

 

ここからそれぞれが沢を詰め、石をはぐりながら成体や卵嚢を探します。

しかしいくら探しても見つけることができないまま、昼食タイム。

こんなことは初めてです。ヒダサンショウウオの成体を見たことがない麻布学園のメンバーのためにも何とか見つけなければ!

最後に登山道に続く支沢を全員で探して、一番見つけたかった麻布学園のメンバーがやっと成体1匹を見つけました。

0と1匹では、大違い。全員で集合写真を撮影して観察会を終了しました。

 

集合写真

集合写真

 


続く