Ikimono Dayori sono83
2014年ヒダサンショウウオ観察会−1
2013年12月28日(土)と2014年1月12日(日)の2回、ヒダサンショウウオの成体観察に行ってきました。
ヒダサンショウウオ(Hynobius kimurae)は、本州の関東以西に分布する、本州西部を代表する流水産卵性のサンショウウオです。
止水産卵性のトウキョウサンショウウオ等と比べると大型で、体色や斑紋の変異が著しいのですが、背面に不規則な細かい橙黄色の斑紋が散りばめられた綺麗なサンショウウオです。
関東の個体は、地色が青みがかっていることが多く、橙黄色の斑紋とのコントラストが強く感じられますが、橙黄色の斑紋がほとんど無い個体もいます。
ヒダサンショウウオの成体は、気温と水温とが逆転する(水温の方が高くなる)12月頃から渓流に集まり、地域によりますが2月から4月にかけての繁殖期に渓流内の大きな石の裏に青白く輝く1対(2房)の卵嚢を産卵します。
青白く輝く卵嚢(2013年2月28日撮影)
産卵を終えた雌は、直ぐに渓流を離れ樹林地へと帰っていきますが、雄は繁殖期が終わる4月頃まで雌を待ち受けています。
孵化した幼生の多くは、渓流内で越冬し翌年の夏頃に幼体となり上陸します。
2013年12月28日
1月12日の定例調査会で行う予定のヒダサンショウウオ観察会の下見に行ってきました。
メンバーは、西多摩自然フォーラムのカエル王子こと河村さん、鳥類専門家のいがちゃん、山崎君、妻のお貴さんと私の5人です。
JR武蔵五日市駅に集合し、車で登山道口まで移動です。
長靴に履き替え、ザックにカメラや昼食を詰めて、バールを杖代わりに登山道を歩いて40分弱、タヌキのため糞やテンの糞などを観察しながら目的の沢に到着です。
落ち葉に霜が降りていてとても綺麗です。
霜が降りた落ち葉
ここからそれぞれが沢を詰め、石をはぐりながら成体や越冬幼生を捜します。
最初に目を付けた石で、あっさりヒダサンショウウオ(Hynobius kimurae)成体が姿を現しました。
沢を進むメンバー
ヒダサンショウウオを撮影するいがちゃん
渓流産卵性サンショウウオを見つけるのは、大きな石をひっくり返して捜すため、肉体労働なのですが、石の下やガレ場の中から「グニョ〜」っといった感じで姿を現した瞬間は、何度体験しても感激します。
見つけた個体は、メンバーに見せるために一時捕獲し、ひっくり返した石は元あったように戻しておきます。
その後、成体2匹を追加した時点で、先に進んでいたメンバーと合流することにします。
先に進んでいたメンバーも、ヒダサンショウウオの成体と越冬幼生、ナガレタゴガエルやヤマアカガエルを見つけたようです。
時計を見ると12時を過ぎています。
日の当たるところで昼食をとり、各々が写真撮影をして山を下ることにします。
結局この日は、2時間弱の概査でヒダサンショウウオの成体8匹と越冬幼生1匹、ナガレタゴガエル5匹、ヤマアカガエル2匹を観察することができました。
ヒダサンショウウオ成体
ヒダサンショウウオ越冬幼生
ナガレタゴガエルとヤマアカガエル
ヒダサンショウウオを撮影するお貴さん
記念写真
登山道へ向かうメンバー