さくちゃんの生きもの便り

Ikimono Dayori sono68

クロコノマチョウの記憶

( 幼虫 )

孵化直後の幼虫は卵殻を食べ、しばらく静止した後に同じ卵群の幼虫が葉裏に群生します。

齢が進むにつれて、徐々に分散しますが、葉が大きいと4齢まで集合性が認められ、終齢は単独生活となります。

 

終齢幼虫終齢幼虫 終齢幼虫
孵化直後の若齢幼虫(ツルヨシ)  中齢幼虫(ススキ)  終齢幼虫(ススキ)
孵化直後の若齢幼虫(ツルヨシ) 中齢幼虫(ススキ) 終齢幼虫(ススキ)
幼虫頭部の色彩変異 幼虫頭部の色彩変異 幼虫頭部の色彩変異
幼虫頭部の色彩変異

 

( 蛹 )

蛹は、食草または近くの他植物の葉裏に下垂して垂蛹となります。

蛹化の位置は、地面から数cmから1m前後に多く、風当たりの弱い場所に生育する植物の葉裏の中脈を選好します。

 

前蛹 蛹化直後の蛹  発生が進んだ蛹
前蛹 蛹化直後の蛹  発生が進んだ蛹
羽化直前の蛹 羽化直後の成虫と終齢幼虫 生息環境
羽化直前の蛹 羽化直後の成虫と終齢幼虫 生息環境

 

この時期の野山は、ぶらぶらと散歩するだけでも心地よく過ごすことができます。

皆さんも、クロコノマチョウに出会いに野山に出かけてみてはいかがですか?

足元から大きな茶色のチョウがフワフワと飛び立てば、それがクロコノマチョウです。

 

2009年10月7日 さくちゃんこと佐久間聡

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文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)

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