Ikimono Dayori sono66
2009年トウキョウサンショウウオ観察日記
トウキョウサンショウウオ三浦半島個体群観察
タチツボスミレ |
2009年2月7日 記録的な暖冬で、「西多摩地域でトウキョウサンショウウオの産卵が始まった」との情報が届いたので、三浦半島の生息地の状況を把握するために横須賀の産地へ行ってみることにしました。
横浜横須賀道路を使って、30分ぐらいのドライブで目的地に到着です。
生息地の近くに車を停めて、登山道を歩きます。
タチツボスミレが開花し、早い春の訪れを知らせてくれます。
気温は高いとはいえ、さすがにまだ2月の上旬です。
産卵が始まっていない可能性も高いのですが、登山道沿いの水溜りや細流を注意深く観察しながら進みます。
トウキョウサンショウウオが産卵する登山道沿いの細流 |
トウキョウサンショウウオの卵嚢 |
最初の比較的大きな水溜りで、早くもトウキョウサンショウウオ(Hynobius tokyoensis)の卵嚢1対を見つけました。
昨夜産卵したものと思われる、産卵後間もない卵嚢です。
ザックからカメラを取り出し、写真撮影を行ないます。
何枚か写真撮影後、登山道沿いの細流を、上流に向かいながら卵嚢を捜します。
この繁殖地は、崖からじわじわと湧水が湧き出ているところで、トウキョウサンショウウオでは珍しく岩の割れ目や石の下に産卵していることが多くあります。
湧水地に産み付けられた卵嚢 |
毎年産卵している、湧水が湧き出る岩の割れ目のところまできました。
慎重に石を除きながら岩の割れ目を覗き込みます。
ありました。トウキョウサンショウウオの卵嚢です。
湧水が湧き出る穴を塞ぐように産み付けられています。
外に出ている卵嚢が1対、岩の隙間に産み付けられている卵嚢も2対以上あるようです。
これから産卵する個体もいることと思われるため、今年も順調に繁殖しているようです。
1時間程度の短い観察ですが、記録的に早い産卵を確認し観察はこれで終了です。
開発計画が進む当該地ですが、来シーズンも観察できることを願って、車に乗り込み生息地を後にしました。