Ikimono
Dayori sono54 |
ハコネサンショウウオ観察日記 Page2 |
その後、ヒダサンショウウオは、成体1匹を追加確認し、2対の孵化寸前の卵嚢も見つける事ができました。 さてさて本命のハコネサンショウウオと言えば・・・・・これまた上流組が成体を見つけてくれました。 |
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孵化寸前のヒダサンショウウオ(卵嚢)とハコネ(成体) |
ハコネサンショウウオ(成体) |
ハコネサンショウウオは、本州と四国の山地に広く分布している流水産卵性のサンショウウオで、日本に生息するサンショウウオでただ1種、肺を持たないサンショウウオ目の仲間です。他の日本産のサンショウウオに比べスリムで尾が長いのが特徴です。 幼生は約3年で変態し上陸するため、年間を通じて3段階の大きさの幼生を確認する事ができます。 さて、本命のハコネサンショウウオの成体も見つける事ができたため、沢を下り幼生が沢山観察できる沢に移動することにします。 沢に到着後、それぞれがすくい網を持って沢に入ります。 岩の上にヒメレンゲが黄色で小さな花を咲かせています。これらを写真撮影し、幼生を探します。 |
流水性サンショウウオの幼生は、沢の中でも流速が遅く淀んでいるような場所にある石の下に潜んでいます。 右手にすくい網を持って左手で石をはぐりながら探すのがポイントです。 30分程度の短い時間ですが、夫々が、複数の幼生を見つける事ができました。 成体は目が飛び出たかわいい顔をしているのに、幼生はねー。ハコネサンショウウオの観察もこれで終了です。 |
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岩の上に群生するヒメレンゲ |
ハコネサンショウウオ(幼生) |
様々なサイズと模様のハコネサンショウウオの幼生 |
今回観察できた成体、幼生、卵嚢の一部は、カエルツボカビ症から両生類を守るために、日本動物園水族館協会が実施する「ノアの箱舟計画(カエルなど両生類で激減している種を動物園や水族館などで飼育して、ツボカビ症の感染対策が確立するまで保護する計画)」を実践するために採集し、上野動物園に持ち帰ってもらいました。 最後にカエルツボカビ症の拡散防止のために、全員の長靴や観察用具を消毒しました。 |
皆さんも、フィールドに出かけるときは、カエルツボカビ症の拡散防止のために、長靴や観察用具を消毒して下さいね。消毒方法等は以下を参考にして下さい。 http://www.azabu-u.ac.jp/wnew/detail07/pdf/070409_1.pdf http://www.azabu-u.ac.jp/wnew/detail07/pdf/070111_2.pdf |
7月7日 さくちゃんこと佐久間聡 |
文と写真:佐久間 聡(さくま さとし) |