Ikimono
Dayori sono49 |
秋の野山散歩(カマキリ観察編) Page2 |
主に高茎草地に生息している2種を観察したので、視線を上げて林縁の中低木上を捜します。 いました・いました、ハラビロカマキリです。ハラビロカマキリも緑色型と褐色型の2つのタイプがありますが、褐色型は稀です。 中型のカマキリで、お腹が大きいこと、前羽に白紋があること、前足に薄黄色の突起があること、胸に赤紫色の紋があることで見分けることができます。 卵鞘は、小判形で大変硬いです。主に樹木の枝や高茎草本の茎に産卵します。 |
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畑地 |
ハラビロカマキリ |
※生きものの写真はクリックすると拡大写真が表示されます |
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緑色型 |
緑色型 |
卵鞘 |
さて今度は視線をぐっと下げて、低茎草地や農地を歩きます。 コカマキリを観察するためです。 上記の3種は草や木の上に生息しているのですが、コカマキリは地面にいることが多いからです。 草刈された茅が積み上げられた場所で、複数のコカマキリを見付けることができました。しかも、なかなか観察することができない緑色型の個体も観察できました。 コカマキリは、林床、低茎草地、畑地などに普通に生息しています。 褐色型と緑色型の2つのタイプがありますが、緑色型は稀です。 小型のカマキリで、前足の内側に紫色・紺色・白色の光沢のある紋があることで見分けることができます。 卵鞘は、細長く少し柔らかいです。主に樹木の幹、壁などに産卵します。 |
コカマキリ |
A:褐色型、B:緑色型、C:交尾中のコカマキリ、D:前足、E:卵鞘 |
さて、ここまでは簡単。 円海山周辺では5種のカマキリを観察することができるのですが、その内の1種、ヒナカマキリは個体数が少なく、しかも小さいためなかなか見付けることが難しいカマキリです。 林内の散策路を目を凝らしながら進みます。 目はかすむし、腰は痛いし・・・・もうやーめたと思い始めた時、長男のターチが「これじゃーないの」と声をかけてきました。 |
これでパーフェクト達成。カマキリ観察はこれでおしまい。 帰り道は、のんびりと歩きながら秋の草花に集まるチョウチョを観察することにしましょう。 チョウチョの観察は次の生きもの便りで。 |
2006年10月22日 さくちゃんこと佐久間聡 |
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文と写真:佐久間 聡(さくま さとし) |