その28 三浦半島のトウキョウサンショウウオを探しに−2
Ikimono Dayori sono28

三浦半島のトウキョウサンショウウオを探しに Page2

 でも、次の水溜まりでもトウキョウサンショウオは見つかりません。仕方なくもっと上流部の水路を探し始めたときです。ありましたトウキョウサンショウウオの卵嚢です。水中の小枝にしっかり産み付けています。落ち葉の下からも、もう1対見つけました。
トウキョウサンショウウオの
卵嚢を見付けた水路
トウキョウサンショウウオ
(三浦半島個体群)の卵嚢

 三浦半島の個体群の卵嚢は、いつも見慣れている東京個体群の卵嚢より細長いし、皮も薄く、色も薄黒いように感じます。個体群によって色々と違いが有るんだなーと驚きました。

トウキョウサンショウウオの卵嚢
三浦半島個体群
東京個体群

 トウキョウサンショウウオを確認できたのでほっと一息。次の場所に移動します。
 次の場所は、登山道沿いの水路です。
 いましたいました。この水路には沢山産んでいます。でもそのほとんどの場所の水が涸れそうになっていて、今にも卵嚢が干からびそうです。子供達が可哀想だから他の場所に移してやろうよーとせがみます。
 仕方がありません。多くのハイカーに白い目で見られながら、干からびかけた卵嚢だけを安定した水場に移してやり、2対の卵嚢を持ち帰って飼育することにしました。

持ち帰った卵嚢からは4月末現在で、多くの幼生が孵化し、イトミミズやミジンコを食べてすくすくと育っています。
 4年生に進学した息子が、トウキョウサンショウウオの幼生の一部をヤマアカガエルとアズマヒキガエルのオタマジャクシと一緒に学校に持っていって飼育を始めました。
 学校のみんなで飼育と観察をして、同じカエルでも種類によってオタマジャクシの色や形がちが違うことや、カエルとサンショウウオのオタマジャクシの違いなどを体感してくれることでしょう。
トウキョウサンショウウオの幼生
(三浦半島個体群)

 今回の生きもの便りはこれでおしまいです。
 次回は4月上旬に行った沖縄の話をしようと思っています。
5月1日   さくちゃんこと佐久間聡


文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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