さくちゃんの生きもの便り(その20)
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パプアニューギニア昆虫採集の旅−4
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小さい写真は拡大写真があります。
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今回の採集旅行では、メガネトリバネアゲハ、ゴライアストリバネアゲハ、パプアキシタアゲハの3種を見ることができました。また、集落周辺の谷部に残る林では、この蝶達の食草であるウマノスズクサが自生しており、多くの蛹や幼虫も見付けることができました。 |
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オオルリアゲハは、ニューギニア島を中心に分布しています。青色に輝く綺麗なアゲハチョウの仲間で、日本に分布するカラスアゲハやミヤマカラスアゲハに比較的近い仲間です。この蝶は赤ネットにも集まりますが、林縁で蝶道をつくって飛翔している時は、青色に光る物をちらつかせると敏感に反応するようです。それは、なわばりをつくって蝶道を飛んでいる雄は、青色に光る物を同種の蝶だと思い、攻撃をするために近寄ってくるのだと思います。南アメリカに分布するモルフォチョウも同じような方法で採集することがあります。 |
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集落で採集していると、どこでも子供達を中心とした村民が多く集まって来ます。中には巨大なゴライアスナナフシを捕まえて売りに来たり、カラフルなゾウムシや葉っぱに擬態していることで有名なコノハムシの仲間を捕まえて売りに来たりするので対応におおわらわです。珍しい種類の昆虫が混ざっていたりするので一通り目を通して欲しい物は買い付けを行います。それを見ていた子供達は、小遣い稼ぎになると思ったのでしょう。集落周辺の林に分け入って次々と昆虫を捕まえてきます。「それならいっそ子供達に採集させるか・・・・・・」 |
A |
B |
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カラフルなゾウムシ
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葉っぱそっくりなコノハムシ
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A:
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生きたゴライアスナナフシを売る女性 |
B:
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右手にゴライアスナナフシ、左手に巨大グモを持つ迫力のあるおばさん |
自分の採集ネットや毒ビンを子供達に渡して「毒ビン1本の昆虫で○○やー採ってこーい」てなぐあいに採集を依頼し、半日後に回収したりして過ごすのでした。子供達が戻ってくるあいだは、ハイビスカスに集まる蝶々を眺めながら、大人達にタバコを配ったり、逆に果物を貰ったりして、のんびりと楽しい一時を過ごすのでした。 |
原生林を抱えた渓流には、シジミチョウの仲間やシロチョウやタテハチョウの仲間が沢山吸水に集まってきます。採っても採ってもきりがありません。三角ケースに入れた三角紙があっと言う間に一杯になってしまいます。予備の三角紙を詰め直し、場所を変えて採集しますが、さすがに目新しいものが出てこないとネットを振る気にならなくなります。そこで渓流を遡って薄暗い林内に分け入ることにしました。しばらくすると足下からフワフワーっと中型の蝶々が飛び立ちました。あわててネットを振り採集してみるとメダマチョウの仲間です。メダマチョウはニューギニア島を中心として生息している蝶で日本のジャノメチョウの仲間に近いグループです。メダマチョウの特徴は、名前の通り大きな目玉模様(眼状紋)を持つことで、この目玉模様が天敵である鳥をビックリさせて攻撃から身を守るのに役立っていると言われています。田畑で目玉模様の鳥除けを付けるのもこの効果を利用した物です。 |
吸水に集まったマネシシロチョウの仲間
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吸水に来たキオビコノハ
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メダマチョウの仲間
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そうこうするうちに次は、採集の対象を蝶から昼蛾に変えて楽しむことにしてみました。蛾と言うと夜間に電灯に集まる地味な昆虫のイメージが強いと思いますが、熱帯地域には綺麗な金属光沢を持ち、昼間に活動する蛾が沢山生息していて、私もその綺麗さから密かにコレクションしています。その昼蛾が渓流沿いや林縁に飛んでいます。採集してみると同じ種だと思っていた昼蛾が少しずつ違っています。3〜4種程度は混ざっているようです。大型で綺麗なオジロツバメガも吸水にやってきました。ニューギニアには、このツバメガをモデルとし、そっくりに擬態する珍種のラグライズアゲハ(ニセツバメアゲハ)というアゲハチョウがいるので、これと思うものを沢山採集してみましたが、残念ながら1匹も混ざっていませんでした。 |
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昼蛾の仲間
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オジロツバメガ
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昼間近くになると、周辺の村の女性が河原に野菜を洗いに来たりします。炊事の邪魔をしないように吸水に来た蝶や昼蛾の採集を続けます。 |
大量の芋を頭にかけて水場へ向かう女性
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河原で芋を洗う女性
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