さくちゃんの生きもの便り(その19) 初夏の沖縄生きもの紀行−1

 6月22日から4日間、家族全員で毎年恒例になりつつある、沖縄本島に行って来ました。今回は、前回の生きもの便りの予告通りその時の話をすることにしましょう。
 では、旅行中の沖縄で出会った生きもの達の話しを進めます。


6月22日

 いつもの通り早朝出発で、9時過ぎには予定通り那覇に到着。これまた相変わらずの、レンタカーで牧志公設市場に直行です。
 市場での目的は晩ご飯の総菜やお酒のおつまみを購入するためです。
 魚屋や肉屋等をひやかしながら市場内を歩き回ります。馴染みになった漬物屋のおじさんが声をかけてくれたので、2種類の島らっきょうの漬物を購入しました。夫婦揃って島らっきょうが大好きです。娘は、学校で沖縄の歴史や文化について勉強しているらしく、色々な店で写真を撮っています。魚屋にはいつものように南国の色鮮やかな魚や沢山の種類のエビ・カニが列んでいます。肉屋にはブタ肉が、鳴き声以外全て食べるといわれるだけあって普通の肉の他に顔の皮や耳、足、内臓なども売っています。ウミヘビの燻製をぶら下げている店もあります。八百屋には南の島ならではの野菜や果物に加えて、見たこともない薬草が沢山列んでいます。紛れもなくここは"アジア"です。
 次から次へ押し寄せる食材を写真に納め買い物を済ませて、市場の2階で食事をして、国頭村の奥間にあるリゾートホテルに向かいました。


公設市場周辺のお店
八百屋
魚屋
肉屋
乾物屋
果物屋

 フロントでチェックインを済ませ、少し休憩して、ヤンバルの渓流に分け入って渓流遊びです。渓流までの林道にも沢山の生きものが姿を見せてくれます。最初に見付けたのは「生きもの便りその4」で紹介したハンミョウです。沖縄のハンミョウは体が細く青みが強いことから別亜種になっていてオキナワハンミョウといいます。それにしても沢山飛んでいます。次に見付けたのはリュウキュウハグロトンボです。これもヤンバルの渓流ではよく見かけますが、本州に分布しているハグロトンボとは違い、羽の付け根にメタリックブルーの光沢を持つ大変美しいトンボです。次に見付けたのはリュウキュウヤマガメです。妻と娘が続けざまに2匹見付けました。2匹共まだ若い個体のようです。


オキナワハンミョウ
リュウキュウハグロトンボ♂
リュウキュウヤマガメ

 子供達はトンボやチョウチョ、ハンミョウ等を次々に採集しています。それを妻が三角紙に入れていきます。私はというとイボイモリの幼生を探すために水溜まりの中を覗いて回ります。オタマジャクシは沢山いるのですがイボイモリの幼生はなかなか見つかりません。水溜まりを4〜5箇所調べた時に、やっとの思いで1匹の幼生を見付けました。シリケンイモリの黒い幼生とは違い、黄褐色をしています。上陸直後と思われる幼生も見付けました。体色が黒褐色で尻尾と指先が黄褐色した頭でっかちな幼生です。
 渓流では、ガラスヒバアを見付けたり、オオミズスマシを捕まえたり、カエルを観察したりと、冷たく澄んだ清流で楽しい一時を過ごしました。


イボイモリ(水生幼生)
イボイモリ(上陸直後と思われる)
渓流散策の様子

 ホテルに戻って休憩と夕食を済ませ、夜のヤンバルへ出発です。子供達は疲れが残るといけないので留守番。私と妻とでの観察です。子供達を連れてくるための下見も兼ねているので、写真撮影等の時間をかけずに進んでいきます。ミナミヤモリやアカマタ、ガラスヒバア等の爬虫類、ハナサキガエルやリュウキュウカジカガエル等の両生類が姿を現します。

ガラスヒバア

 林道に巨大なヒメハブがとぐろを巻いています。胴回りが成人男性の腕の太さほどある個体だったので、これは思わず写真撮影。
 次に見付けたのがクロイワトカゲモドキ。これもお気に入りの種のため写真撮影、てな具合でホテルに帰ったのは1時を回っていました。それにしても沢山のクロイワトカゲモドキが観察できた夜でした。満天の星空にホタルも沢山飛んでいました。思わず2人で乾杯。


巨大なヒメハブ
クロイワトカゲモドキ♂

初夏の沖縄生きもの紀行−2へ続く
文と写真:佐久間 聡(さくま さとし)
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