さくちゃんの生きもの便り(その8)
セミ(アブラゼミ・ミンミンゼミ)の羽化の観察


  いよいよ夏休みの到来です。
  梅雨明け後の晴天が続く横浜では、毎日最高気温が30℃を越える猛暑が続いています。夏真っ盛りです。私の家の近くでは、ここ一週間の間にニイニイゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミの鳴き声を多く聞くようになりました。
  そこで今回の生きもの便りはセミの羽化の様子をお見せしたいと思います。

  このアブラゼミの羽化の写真は、7月25日の夕方に子供達と近くの公園に出かけて、羽化するために土中から出ようとしている3匹の幼虫を採集して持ち帰り、家の中で羽化の様子を観察し写真撮影したものです。

 ミンミンゼミの羽化の観察は、去年の8月15日に幼虫を採集して、娘が夏休みの自由研究としてまとめた観察日記です。夏休みの自由研究のとりまとめの一例として載せてみました。

ミンミンゼミの羽化の観察

 皆さんも夕方近くに公園にでかけて、木の根本近くに空いている穴を覗いてみて下さい。1.0〜1.5cm程度の大きさの穴は既に幼虫が出た後の穴のため幼虫は入っていません。0.5〜1.0cm程度の穴や落ち葉やゴミがのっている穴はまだ中に幼虫が入っている可能性が高いので要注意です。指をそーっと入れてみて下さい。幼虫が足の爪で挟むような感触(挟まれるとちょっと痛い)があると穴の中に幼虫が入っています。上部を少し広げて前足の爪の部分を掴むか引っかけるようにして引っぱり出して下さい。
  家に持ち帰った幼虫は、冷房の利いてない部屋やベランダの樹木やカーテン等にとまらせて羽化させるとよいと思います。


左側の写真をクリックすると拡大写真が表示されます。

写真1
セミの幼虫は羽化に適した場所を探して歩き回り、やがて足を固定して動かなくなります。

 

写真2
やがて、幼虫の背中が縦に割れて、体をふるわせながらまず最初にセミ(成虫)の背中が出てきます。

写真3
背中に次いで、頭、羽、足が出てきて、お尻の部分だけで幼虫の殻につかまった状態になります。

写真4
足が乾いてくると体を起こして、足で幼虫の殻につかまります。

写真5
足で幼虫の殻につかまると、お尻を殻から抜いて足だけで幼虫の殻につかまった状態になり羽を伸ばし始めます。

写真6
羽を伸ばし始めるとあっという間に羽を伸ばしきります。

写真7
羽化したばかりのアブラゼミの羽は茶色ではなくて乳白色です。

 

写真8
明け方には、羽も乾き色も茶色になってアブラゼミの羽化の完了です。

 

  親子で懐中電灯をもって日没直後の公園に出かけてセミの幼虫を探してみて下さい。慣れるまではなかなか見つけられないと思いますが、がんばってみて下さい。見つけることが出来たらお父さんはヒーローになること請け合いです。

1999年7月31日
文と写真:さくちゃんこと佐久間 聡(さくま さとし)
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